日本各地にはその風土に合わせたご当地鍋料理が存在します。中でも福岡県のご当地鍋料理の1つであるもつ鍋は、すき焼きやしゃぶしゃぶ、寄せ鍋などと同様に日本各地で食べられている人気鍋料理となっています。
もつ鍋は、終戦後の1953年に福岡県内で誕生したと言われており、当時鉄鍋が無かったためにくにゃっとしたアルミ鍋にモツと韮を入れ、醤油味のスープで炊いたことが始まりです。その後、ある1人の馴染みのお客さんが、もつ鍋にちゃんぽん麺を入れて欲しいと頼んだことで誕生したのが現在のスタイルです。
その後、日本の経済が急成長を遂げ、食糧生産の生産量が大幅に上昇したことで、キャベツが加わり、もつ鍋といえば「モツ・韮・キャベツ・醤油味のスープ・ちゃんぽん麺」の5点セットが定番となったのです。
そんなもつ鍋ですが、ご家庭で作るとなるとモツの下処理やスープの作り方などどのように行えばよいか悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回はもつ鍋の作り方と共に、モツの下処理方法やオススメの具材などを分かりやすくご紹介したいと思います。
生モツの下処理方法をご紹介!
もつ鍋 / hirotomo
もつ鍋を作る際、必ず行わなければならないのが「生モツの下処理」です。
既にボイルされているモツを使用する場合は、さほど気にならないかもしれませんが、生モツを使用する場合は、豚モツは勿論のことですが、牛モツであってもしっかり下処理を行うべきです。
下処理を充分に行わなかった生モツを鍋に入れてしまうと、生モツ独特の臭いや灰汁が出てくるため、スープが台無しになり、とても食べられたものではありません。
ですが、中には「生モツの下処理って大変じゃないの?」と思われるかもしれません。そこで、誰でも簡単に出来る生モツの下処理方法を3つご紹介したいと思います。
塩揉み
生モツを一旦水洗いし、しっかりと水気を切っておきます。ボウルに生モツを入れ、塩を充分に振りかけたら、汚れを落とすようなイメージで入念に揉み込みます。
揉み込んだ後は、流水でしっかり洗い流せば完了です。この工程を3回ほど繰り返すことで、生モツの嫌な臭いが抑えられます。
漬け込み
「3回も塩揉みをするのはちょっと…。」という方は、牛乳の力を借りて臭みを取るのはいかがでしょうか?
まず、生モツをしっかり水洗いします。そして、水気を切り、ボウルなどに生モツを入れ、ひたひたになるまで牛乳を注ぎます。後は1時間ほど漬け込めば完了です。
1時間後に牛乳を流し、生モツを入念に水洗いしたら、後はお鍋の具材として使用するだけです。
小麦粉揉み
牛乳や塩を使いたくないという方は、小麦粉がオススメです。
しっかり水洗いした生モツをボウルへ入れ、そこへ小麦粉をまぶします。そして、力を込めて入念に揉み込み、汚れを取り除きます。充分揉み込んだと感じたら、流水でしっかりと生モツに付着した小麦粉を洗い落として、しっかり水気を切ったら完了です。
小麦粉で下処理を行う場合、最低でも2度揉み込む必要があります。小麦粉の種類ですが、薄力粉や中力粉などどのような種類でも構いません。小麦粉の量は、生モツ600gに対し小麦粉200gが適量となっています。洗濯物を洗っているようにゴシゴシとしっかりこすり合わせて汚れを取り除きましょう。
もつ鍋の作り方!
afterward: Fukuoka seminar もつ鍋 / jetalone
生モツの下処理が完了しましたら、遂にもつ鍋を作ってゆきます。
今回は博多っ子オススメのもつ鍋レシピをご紹介したいと思います!
材料
・生モツ:200g
・韮:1束
・キャベツ:1/4玉
・牛蒡:1/2本
・ニンニク:2片
・明太子:2房
・山芋:10cm
・絹豆腐:1丁
・醤油:大さじ3杯
・味醂:大さじ3杯
・小麦粉:下処理用
・昆布:20cm
・水:800cc
・白炒りごま:少々
・鷹の爪:少々
作り方
①鍋に水と昆布を加え、1時間ほど寝かせます。
②ニンニクをスライスし、鷹の爪は輪切りにします。
③キャベツをざく切りにし、韮は10cm幅でカットします。
※牛蒡は、笹掻にしておき、酢水に漬けておくと良いでしょう。豆腐は6等分にしておき、明太子は表皮と魚卵を分けておきます。山芋はすりおろしておくとよいでしょう。
④1時間後、鍋を中火で温め、沸騰直前で昆布を取り出し、スライスしたニンニクや醤油、味醂を加えます。
⑤鍋の出汁がグツグツと煮立ったら、カットしておいた具材を入れ、輪切りにした唐辛子をまぶし、お好みで白炒りごまを散らします。
⑥具材全てに火が通ったのを確認したら完成です。
オススメの具材
ご家庭によってもつ鍋の作り方は異なるかと思いますが、基本的には以下の材料さえあれば作ることが出来ます。
・牛もつ(小腸のみ)※モツミックスでも可
・キャベツ
・韮
・ニンニク
・鷹の爪
・ニンニクスライスまたはおろしニンニク
・柚子胡椒
・ちゃんぽん麺
・醤油味または味噌味のスープ
もつ鍋アレンジとして、かまぼこや牛蒡の天麩羅、玉ねぎ、こんにゃく、きのこ類などを入れて召し上がるのもオススメです♪
もつ鍋はお酒との相性が抜群ですので、年末年始はもつ鍋を食べて家族や友人と楽しい年の瀬を過ごしてみませんか?