秋の味覚として知られる「サンマ」は漢字で「秋刀魚」と書きます。
なぜ秋刀魚と呼ばれるようになったのかと言いますと、スラッとした細身の身体をしていることから「狭真魚(さまな)」と呼ばれていた説や昔は「三馬」や「馬」と呼ばれていたことから「サウマ」から「サムマ」、「イソムマ」が訛った説などがありますが、いつ頃から秋刀魚と呼ばれるようになったのかは定かではありません。
そんな秋刀魚ですが、春は千島列島近辺の海域で過ごしており、初夏になると北海道の東部や岩手県や青森県、宮城県などの三陸沖にやってきます。
そして、産卵を行うためにたっぷりの栄養を摂ります。その後、太平洋を徐々に南下して行き8月の中旬から下旬にかけて秋刀魚の漁が解禁され、9月になるとたっぷりと脂が乗った絶品の秋刀魚がスーパーやデパートの生魚コーナーに陳列されます。
秋刀魚が市場に出回るのは9月から10月のおよそ1か月ほどであり、最も美味しい秋刀魚が食べられる時期は9月下旬から10月末までと言われています。
脂がたっぷり乗ったサンマは焼いても、生のままでも美味しく召し上がることが出来ますが、稀にサンマのはらわたに赤い糸状の物体が見られる場合があります。
この物体はいったい何なのか!?そして食べても平気なのかをご紹介したいと思います。
サンマのはらわたから赤い物体が!?もしかして寄生虫!?
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皆さんはサンマを召し上がる際、はらわたは綺麗に取り除きますか?それとも、はらわたまでペロリと食べちゃいますか?
サンマだけではありませんが、魚類のはらわたは苦みが強いため、小さいお子様がサンマを召し上がる際は綺麗に取り除くお母さん方も多いのではないでしょうか。
その際、サンマのはらわたに赤色(オレンジ色)の細長い糸のような生物が住み着いています。この生物は「ラジノリンクス(鉤頭虫類)」という名の寄生虫です。
体長は5mmから10mmほどで主にサンマやカツオ、サバなどといった青魚に寄生しています。主に魚の腸管に寄生していますが、人間に寄生することはありません。
しかし、生きた状態で食べてしまうとラジノリンクスの吻が口内及び喉に引っかかるので気を付けましょう。
焼いても赤色(オレンジ色)をしているので食べている最中に発見するなんてこともあります。食べても無害と分かっていても気持ちの良いものではありませんので、サンマのはらわたは綺麗に取り除いた方が良さそうです。
サンマの身体の至る所に小さな穴が開いているけど?
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サンマを夕飯のおかずとして食卓に出そうかなと考えながら生魚コーナーに陳列されているサンマを眺めているとサンマの表皮に小さな穴が開いていることがあります。
この穴は「サンマヒジキムシ」と呼ばれる体長10cmほどの大きな寄生虫が開けた穴です。
水揚げされた際や販売される前に引っこ抜いているのでお目にかかる機会は極稀ですが、水揚げされたばかりの新鮮なサンマにはくっついている場合があります。
こちらの寄生虫も誤って食べてしまっても人体に害は出ませんのでご安心ください。
サンマヒジキムシはサンマの体内に潜んでいる場合があり、冷蔵庫で1晩置いておくと中から出てきている場合がありますので、引っこ抜いて中まで火を通してから召し上がると良いでしょう。
まとめ
脂の乗ったサンマにはDHAやEPAという不飽和脂肪酸がたっぷり含まれており、認知症の予防及び悪玉コレステロールの減少、血液の流れをスムーズにさせる作用などを有しています。
また、貧血に絶大な効果を発揮するビタミンB12は他の魚類と比べ、3倍近く含有されており、さらに若返りのビタミンと言われるビタミンEをはじめ、目の病を予防するビタミンA、カルシウムの吸収を促進させるビタミンDなどもたっぷり含まれています。
しかし、サンマは脂質が多いため太りやすい食材と言えるのでダイエット中の方は食べ過ぎないようにお気を付け下さい。