寒さがより一層厳しくなる12月から1月になると恋しくなる「おしるこ」は、冬の定番の和スイーツとなっています。
しかし、おしるこは、関東地方と関西地方では呼び名が異なり、関東地方で「ぜんざい」と呼ばれるものが関西地方では「亀山」と呼ばれていたり、関西地方で「ぜんざい」と呼ばれるものが関東地方では「おしるこ」と呼ばれるなど、卵焼きやうどん、出世魚の名前の呼び方の違いなどのように大きく違います。
そこで、今回は日本の代表和スイーツ「ぜんざい」と「おしるこ」の違いをはじめ、材料や作り方の違いをご紹介したいと思います。
「ぜんざい」と「おしるこ」の違いとは?
1月11日の内に鏡開きのぜんざいにありつけた。ごちそうさまでした。 / ysishikawa
関東地方と関西地方の「ぜんざい」と「おしるこ」の認識の違いは以下の通りです。
関東地方
・粒あん+汁気あり=おしるこ(田舎汁粉または小倉汁粉)
・こしあん+汁気あり=おしるこ(御膳汁粉)
・汁気無し=ぜんざい
関西地方
・粒あん+汁気あり=ぜんざい
・こしあん+汁気あり=おしるこ
・汁気無し=亀山
関東地方では、小豆餡が粒あん・こしあん関係なく「おしるこ」となり、汁気のないものを「ぜんざい」と呼びます。
一方、関西地方では、小豆餡によって「ぜんざい」と「おしるこ」を区別しており、汁気のないものを「亀山」と呼んで区別しています。
ぜんざいとは、小豆を砂糖で甘く煮詰めた汁の中にお餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れて食べる和スイーツです。小豆の粒々感を感じさせる汁物となっています。
一方おしるこは、水分たっぷりのこしあんや潰し餡などの小豆汁にお餅を入れた汁物であり、具材が入った汁物なので汁粉と呼ばれています。関西地方では、こしあんを使った汁粉を「こしあんのぜんざい」と呼び、親しまれています。
「ぜんざい」と「おしるこ」の違いとは、水に小豆と砂糖を加え、コトコト煮て作られた汁物をぜんざい、餡子を水で溶いて似た汁物を汁粉と呼ぶのが正しい名称となっているので、覚えておきましょう。
汁無し和スイーツの「亀山」ってどんな食べ物なの?
ぜんざい / tyoro
ぜんざいやおしるこの材料や作り方の違いをご紹介させて頂きましたが、汁無し和スイーツの「亀山」というのはどんな食べ物なのでしょうか?
亀山とは、京都府の山地、丹波の亀山が由来となっています。亀山の地では、古くから粒の大きな質の良い小豆が豊富に生産されており、日本では古くから小豆の赤色には厄除けの効果があると言われ、さらに身体にも良いということでお餅に混ぜて農作業の合間に食べていました。
そして、時代が移り変わり、江戸時代中頃になると、砂糖の生産量及び砂糖の輸入増加に伴い、小豆に甘味が付けられ、小豆餡が誕生します。
そして、いつしか関西地方では亀山の地で食べられていた小豆たっぷりのお餅が広まり、この和スイーツを「亀山」と名付け、粒あんを使用した汁物をぜんざい、こしあんを使用した汁物をおしること呼ぶようになったのです。
まとめ
今回は日本の代表和スイーツ「ぜんざい」と「おしるこ」の違いをはじめ、材料や作り方の違いをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
ぜんざいやおしるこの呼び名は関西地方の呼び名が正しいのですが、関東地方を中心とした日本各地ではそれぞれ呼び名が異なるのも事実です。
関東地方や関西地方へ旅行へ行き、甘味処にてぜんざいやおしるこをご注文される場合は、呼び名にご注意ください。