「第6次改定日本人の栄養所要量」には、日本人が1日に摂取しなければならない野菜の量は350gであり、うち緑黄色野菜が120g、淡色野菜は230gと記載されています。
しかし、実際に調査を行ってみると、ほとんどの年齢層で推奨摂取量の350gを達成できていないという結果になっており、最も健康に気を遣っていると言われる60代の方々でも339.6gであり、20代から30代に至っては250g前後と推奨摂取量よりも100g近く不足していることが判明したのです。
しかも、1日の野菜推奨摂取量350gをクリアしていても、緑黄色野菜と淡色野菜それぞれに定められた摂取量をクリアしていなければ、野菜不足となってしまうため、野菜不足を解消するのはとても難しいことなのです。
ですが、現代社会には「不味い!もう1杯!」というフレーズで一躍有名になった野菜やフルーツをたっぷり使用した青汁という健康ドリンクが販売されており、「この1杯で野菜不足を解消!」「この1杯で野菜150g分!」などの謳い文句で野菜不足でお悩みの方々の心を鷲掴みにしています。
しかし、本当に青汁で野菜不足が解消されるのかと疑問に思ったことはございませんか。そこで、今回は「この1杯で野菜不足を解消!」と謳っている青汁を飲むことで、本当に野菜不足が解消されるのかをご説明します。
青汁だけで野菜不足は解消されるのか!?
青汁 / kc7fys
野菜不足解消のためには、緑黄色野菜120g・淡色野菜230gの合計350g摂取しなければなりません。1日350gの野菜を摂取するためには、野菜中心の料理1皿70gを毎日5品目摂取する必要があるため、クリアするのはとても難しいことです。
ですが、野菜やフルーツを原材料としている青汁ならば、1日に必要な野菜を飲むだけでクリアすることが出来ると認識されている方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際は青汁を1杯飲むだけでは1日の野菜摂取量をクリアすることはできないのです。
青汁の原材料は、緑黄色野菜をメインに製造されているため、大根・玉ねぎ・白菜・キャベツなどの淡色野菜の摂取量をカバーすることができません。野菜の摂取量は、緑黄色野菜120g・淡色野菜230gを合わせたものですので、緑黄色野菜をメインに使用されている青汁では、野菜不足を解消することはできません。
むしろ、緑黄色野菜の過剰摂取によって副作用を引き起こしてしまう恐れがあるのです。
また、「青汁=野菜」という認識をされている方も大勢いらっしゃるかと思いますが、青汁の製造工程によっては、野菜に含有されている栄養素を全て抽出することができない場合もございますので、青汁はあくまでサポート飲料として摂取するようにし、野菜不足は普段の食事で解消してゆくように心掛けましょう。
野菜不足を改善するためのポイント!
野菜不足を解消するためには、普段の食生活に野菜を取り入れることが最も大切なことですが、野菜に関する知識も身に付けておくと、より効率良く野菜不足を補うことができるようになります。
例えば、“野菜に含まれている栄養素は全て吸収されるものでは無い”や“野菜は調理法ひとつで栄養素の吸収率が変化する”、“旬の時期になると栄養価が高まる”などの野菜に関する知識は、野菜不足を補う上でとっても重要なものですので、必ず覚えておきましょう。
青汁のメリット・デメリット
aojil / keepon
野菜不足のために青汁を飲用されている方も大勢いらっしゃいますが、実際どのようなメリットやデメリットがあるのか詳しくご存知無い方もおられます。そこで、青汁に関するメリット・デメリットを簡単にご紹介します。
メリット
・毎日の食生活の改善に役立つ。
・手軽に食物繊維が摂取できるため、便秘解消や肥満予防が行える。
・原材料によって異なるが、栄誉バランスを考えて製造されているため、生活習慣病を予防することができる。
・鉄分や葉酸が豊富に含まれており、貧血改善および予防が可能。
・青汁に含有されている“メラトニン”による抗酸化作用により、アンチエイジング効果が得られる。
・便秘が解消されることでニキビや吹き出物などの肌トラブルが解消される。
・粉末タイプの場合、持ち運びに便利で外出先でも気軽に飲める。
デメリット
・青汁の原材料に使用されている緑黄色野菜にはシュウ酸を豊富に含むものも多く、摂取量を誤ると尿路結石を引き起こす可能性がある。
・ビタミンKを含む野菜が使用されている可能性があるため、ワルファリンやヘパリンなどの抗凝固剤を服用されている場合は、薬の効果が十分に得られない場合がある。
・お金がかかる。
・ビタミン類やミネラル類などの栄養素を豊富に含んでいるため、何かしらの疾患を患っている場合、不整脈や血圧降下などの副作用を引き起こすことがあり、最悪の場合、死に至る可能性がある。
・体質によってアレルギーを引き起こすことがある。
他にも様々なメリット・デメリットがございますので、青汁を野菜不足のサポート飲料として用いる場合は、信頼できる医師に相談してから飲用するようにしましょう。
まとめ
今回は、野菜不足は青汁で補うことができるのかどうかについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。日本人は野菜不足とは無縁な食生活を送ってきたのですが、食の欧米化によって深刻な野菜不足に陥っています。
野菜不足に陥ると、生活習慣病の発症リスクが高まったり、老化の進行を助長させてしまうため、1日350g摂取するのはとても大変かもしれませんが、青汁をうまく活用し、ゆっくりと確実に野菜不足を補ってゆきましょう。