じゃがいもは今から400年以上前に日本へ伝わった栄養価の高い食材の1つです。
しかし、じゃがいもがやってきた当初は日本人には受け入れがたい風味だったため、現在のように食べられることはありませんでした。
じゃがいもを日本人の舌に合うように長い歳月をかけて品種改良を行った結果、じゃがいもの風味や香りが格段に向上し、今では無くてはならない定番食材の1つとなったのです。
現在じゃがいもは世界の品種を合わせると2000種を越えると言われています。
今回は、豊富な品種を持つじゃがいもの特徴と主な調理方法をご紹介していきたいと思います。
男爵薯(だんしゃくいも)の特徴と主な調理方法
じゃがいも / june29
男爵薯(だんしゃくいも)は北海道で栽培されている代表的なじゃがいもです。
男爵薯はメークイン同様たいへん人気の高い品種であり、じゃがいもの二大品種と呼ばれ親しまれています。
メークインよりも古くから生産されており、北海道の開拓時代の頃から栽培されている品種です。
男爵薯はゴツゴツとした凹凸が特徴です。
果肉は白く、デンプンの含有量がおよそ15%と他のじゃがいもよりも多いため、加熱すると柔らかくなり崩れやすくなります。そのため、コロッケやポテトサラダの材料に最適です。
男爵薯は北海道の今近町や倶知安町、京極町を中心に生産されています。
収穫量も多く、風味も良いため昭和3年頃にメークインと並びジャガイモの優良種に指定されました。
現在男爵薯は、東京都を中心に生のまま食べるじゃがいもとしてたいへん人気の高い品種となっています。
しかし、中央に空洞が出来やすく、くぼみが深いため、表皮を剥きにくく芽が取りにくいという欠点があります。
また、梅雨の時期に収穫された男爵薯は腐りやすく風味が悪いことでも有名です。
調理方法ですが、やや煮えにくいため長い時間かけて煮込むカレーやシチューなどの料理には不向きです。
また、調理後に黒く変色することがあります。じゃがいもの中では香りが強いため、人々に好まれる品種と言えます。
メークインの特徴と主な調理方法
メークインは男爵薯と並ぶ優良種です。
北海道に厚沢群町で誕生した品種ですが、昭和30年頃に関西地方を中心に爆発的な人気を集め、現在では様々な都道府県で優良種または準奨・励品種に指定されています。
メークインは俵のような形をしており、細長く芽も浅いため表皮が剥きやすいという特徴があります。
果肉は黄色く粘性が強いため煮崩れしにくい特性を持っています。デンプン含有量は男爵薯よりも低く、13%前後となっています。
カレーやシチュー、肉じゃがなどの煮込み料理に向いている品種ですが、食感が良いのでポテトサラダにも用いられることも少なくありません。
しかし、メークインは糖度と水分の含有量が多いためコロッケやポテトフライなどの揚げ物にすると茶色く変色してしまうため不向きです。また、男爵薯よりも価格がやや高いのがネックでもあります。
メークインは男爵薯と違い、中央が空洞になることはありませんがグリコアルカノイドの含有量が高いため収穫後の保存方法に注意しなければならない品種です。
キタアカリの特徴と主な調理方法
potato / じゃがいも / kayakaya
キタアカリは男爵薯の品種改良で誕生した比較的新しいじゃがいもです。
流通量はまだ多く無いですが、最近では一部のスーパーやデパートで見かける機会も増えてきました。
キタアカリは風味が良く、ビタミンCの含有量が多いのが特徴です。
北海道の後志地方や十勝地方などを中心に栽培されています。キタアカリは「黄金男爵」や「栗じゃがいも」という名称で販売されることもあります。
キタアカリの果肉はメークインよりも黄色をしており、表皮は黄色の中に赤紫色が混じった色彩が芽の部分に見られます。
デンプン量は男爵薯よりも多く17%前後となっています。そのため、長期間保存するとキタアカリの旨味が減少してしまうため早めに使い切ることをオススメします。
キタアカリはさつまいものような、つかえのないすらっとした舌触りと甘みがあるため、スープやサラダなどに最適です。
男爵薯に比べカロチンやビタミンCの含有量が多いですが、煮崩れしやすい傾向にあります。
まとめ
じゃがいもには他にも、表皮が紫色をしたインカパープルやキタムラサキ、表皮が赤いレッドムーンやベニアカリ、インカのひとみなど複数な品種があります。
調理の仕方によって用いるじゃがいもを選択すると失敗しないじゃがいも料理を作ることが出来ます。
日本には男爵薯やメークイン、キタアカリ以外にもインカのめざめやベニアカリ、とうや、さやかなどが栽培されています。
それぞれのじゃがいもの特徴を掴み、適切な調理を行って美味しいジャガイモ料理を食卓に並べてみませんか?