生姜は薬効の高い食材として世界各国で漢方や民間薬、香辛野菜としてたいへん重宝されています。
特に中国では紀元前より薬として使用されていたことが記録として残っており、古くから多くの人々の健康を支えてきたことがうかがえます。
生姜が日本へやってきたのは3世紀頃と言われており、当時は薬用として栽培されていたのですが、江戸時代に入ると食用として用いられるようになったのです。
そんな生姜には大生姜・中生姜・小生姜の3つの種類が存在し、さらにひね生姜と新生姜に分けられます。
では、それぞれの生姜についてご説明させて頂きたいと思います。
大生姜・中生姜・小生姜とは?
Ginger = Zingiber officinale / Artist in doing nothing.
日本では生姜の地下茎の1種である根茎のサイズによって大生姜・中生姜・小生姜の3つに分類されます。
私たちが一般的に目にする生姜の種類は大生姜と呼ばれる品種です。
大生姜とは、葉も茎も大きく成長しており地下茎も巨大化しています。
大生姜は最大で1kg前後するものもあり、適切に蓄えられ1年を通して漬物や新鮮で生き生きとした食用として利用されます。
中生姜とは、大生姜に比べやや小ぶりであり、辛みが強い傾向にあります。
繊維質が形成されるのが早いため漬物に用いたり加工食材に用いられることが多いです。
小生姜は、とても小さく最大で400g前後となっています。収穫も早いため安定して収穫することが可能です。
辛みが強いため、葉生姜や薑(はじかみ)として用いられるのが一般的です。
新生姜とひね生姜とは?
生姜を大きく3つに区分しましたが、さらに細かく分類すると新生姜とひね生姜の2つに分けられます。
収穫したての生姜または夏に収穫される生姜を新生姜、収穫後2か月間保存してから出荷されるひね生姜です。
新生姜は繊維質が柔らかく爽快感のある辛みが特徴の白い生姜です。
ひね生姜は辛みが強く繊維質がしっかり形成されているためやや違和感を覚える舌触りが特徴の黄色い生姜です。
では、新生姜とひね生姜では含有される栄養素や収穫時期が違うのかをご説明して行きたいと思います。
新生姜とひね生姜の収穫時期や含有される栄養素の違いとは?
Ginger / notafish
新生姜は6月から8月にかけて収穫される生姜です。
ひね生姜は11月頃に収穫され、その後2か月間貯蔵されてから市場に出回ります。
新生姜の肉質は繊維質が感じられないため、ふっくらとした柔らかく、生のまま召し上がるのがオススメです。
反対にひね生姜は肉質ががっちりとしており、繊維質が感じられる生姜となります。ですが、1年を通して安定した供給が出来るという強みがあります。
新生姜とひね生姜に含有される栄養素の違いですが、含有される栄養素自体に大きな変化はありませんので、どちらの生姜を召し上がっても同様の効果を得ることが出来ます。
ですが、折角ですので今が旬の新生姜を美味しく召し上がる方法をご紹介したいと思います。
新生姜の美味しい食べ方
夏に旬を迎える新生姜の美味しい召し上がり方をご紹介します。
新生姜は繊維が少ないので甘酢漬けにして召し上がると良いでしょう。
新生姜の甘酢漬けはお寿司屋さんなどで見かける「ガリ」のことです。
さっぱりとしており、食事中や食後の口直しに最適です。また、油揚げと新生姜を精米と共にお釜に入れて炊き上げれば、生姜ごはんの完成です。
他にも新生姜を千切りにして佃煮にしたり、すりおろして生姜焼きを作るなど様々な料理に使用することが出来ます。
もし、新生姜を使い切ることが出来なかった場合は冷凍保存することで長期間保存することが可能です。
まとめ
生姜には冷房による冷え性や血液の流れを良くして肩こりや疲労回復、消化を促す働きがあります。
夏には欠かせない優れた栄養成分をたっぷり含んでいるので、この機会に生姜をスーパーやデパートで購入し、1日20gを目処に愛食してみてはいかがでしょうか。