7月20日から8月6日頃までを日本では夏土用と言います。
土用とは春夏秋冬それぞれの季節にある立春・立夏・立秋・立冬の前日から18日間のことを指しており、二十四節気の1つです。
中国では陰陽五行説という木・火・金・水そして土の5つから天地間の全てが成り立っていると考えらえており、それぞれの季節に木は春・火は夏と当てはめ、残った土を季節の変わり目として配置し、その日を土用としたのです。
土用は1年に最低でも4回迎えるのですが、夏の土用が最もポピュラーなものとなっています。
特に土用の丑の日は湯名で、土用間にやってくる丑の日を指しています。そんな夏土用の期間に土用餅を食べると良いそうです。
土用餅とはいったいどのような餅のことをさしているのでしょうか。
土用餅とは?
あべ川もち「石部屋(せきべや)」 / 4510waza
夏の土用期間は二十四節気の中でも最も暑い時期だと言われており、この時期に「う」の付く食材を食べると精力を付けて無病息災を祈願します。
「う」の付く食材で有名なものがウナギや梅干しです。
また、「う」の付く食べ物ではありませんが、土用餅と呼ばれるあんころ餅を食べると暑さあたりにならず、夏の間は健やかに生活が出来ると言われています。
土用餅の代表的なものとして草餅や笹餅、安倍川餅などが挙げられます。
土用餅は京都府や石川県の金沢市を中心に現在でも食べられており、ウナギと並んで夏の風物詩となっています。
土用餅の歴史
土用餅の始まりは宮中内で夏の暑さで病気にならないようにという願いを込めて、ガガイモと呼ばれるツル性の多年草の葉を煮だし、その汁で餅粉を練り込み、丸めた餅をお味噌汁に入れて夏の土用入りの日に食べていたと言われています。
それが江戸時代になると餅を食べやすい大きさに丸め、小豆で作った餡で包み込んだあんころ餅を食べるようになったのです。
あんころ餅になった所以は、小豆に魔除けの効果があると信じられており、夏の土用入りの日に土用餅と呼ばれるあんころ餅を食べると夏負けせず無病息災で夏を乗り切ることが出来ると言われていたからです。
そして、その風習が現在でも受け継がれています。
土用餅の作り方♪
Ise Shrine_72 / ajari
土用餅はその地方に合ったあんころ餅で良いそうです。例えば、三重県伊勢市ならば赤福、上越地方ならば川渡餅、静岡県ならば安倍川餅などです。
江戸時代では、疲労の溜まった人々にひと口大のあんころ餅を提供して疲れを癒していたと言われています。
では、夏バテ予防に効果的な涼やかな甘い土用餅の作り方をご紹介します。
お餅材料
・切り餅:2つ
・水:大さじ2杯
羊羹材料
・小豆餡:市販の練り餡(常温)125g
・粉寒天:2g
・黒砂糖:25g
・水:150cc
作り方
①切り餅に水を回しかけたら、ラップをふわっとかけて600wの電子レンジで1分ほど温めます。柔らかくなったらスプーンでしっかり混ぜます。もし、温め足りないと感じた場合は10秒ずつ様子を見ながら温めてください。
②鍋に水を加え、粉寒天2gを投入し、軽く混ぜて点火します。
③寒天が完全に溶けたら黒砂糖25gを加えて煮ます。
④黒砂糖が溶けたら一旦火を止めて小豆餡を加えます。かき混ぜたら、再び点火し弱火で3分間煮ます。
⑤一口サイズの型にスプーンを使って④を型の半分ほど流し入れます。
⑥手を水で濡らし、温めて柔らかくなった切り餅を食べやすい大きさに丸めて型の中に入れます。
⑦切り餅を入れた型に余っている小豆餡を注ぎ、蓋をします。
⑧冷蔵庫で冷やさず、常温で冷やして固めます。
⑨小豆餡が固まったら型から取り出して完成です。
冷蔵庫に入れてしまうとお餅が固くなってしまい、折角の土用餅が台無しになってしまいますのでお気を付け下さい。
まとめ
もし、赤福のようなあんころ餅を土用入りに召し上がりたい場合は、福井県の福井市にお店を構える村中甘泉堂の土用餅4個入り460円(税別)がオススメです。
現在ウナギは絶滅危惧種に指定されており、いずれ食べらられなくなってしまう可能性があります。
しかし、あんころ餅ならば、安定して土用入りに食べることが出来るため、たいへんお勧めです。
今年の夏はウナギと一緒に、あんころ餅を食べて精を付けてみませんか?