かき氷は平安時代の頃に誕生した和スイーツであり、今では日本だけではなく、世界各国で涼を取るための食べ物として人気があります。
かき氷といえば、色とりどりのフレーバーが人気ですが、世代によって好みのフレーバーが異なり、10代から20代の若者はフルーティないちご味やレモン味、30代から40代の方々はほろ苦さが残る抹茶、50代から60代の方々はシンプルなみぞれが人気を集めています。
さて、夏の味覚である「かき氷」ですが、かき氷を食べると頭がズキズキして痛くなるという方もいらっしゃるかと思います。よくこの頭痛を「かき氷頭痛」と呼んでいるのですが、この頭痛にはきちんとした病名が用意されていることをご存知でしたか。
今回はかき氷頭痛の正式名称と痛みが現れる原因&対処法についてご紹介したいと思います。
かき氷頭痛の正式名称とは?
かき氷 / zenjiro
かき氷を食べると、頭にキーンとした痛みやズキズキとした痛みが現れる方々も大勢いらっしゃいます。
これを世間一般的に「かき氷頭痛」と呼ぶのですが、嘘だと思うかもしれませんが、医学界での正式名称は「アイスクリーム頭痛」と言い、アイスクリームやかき氷など極端に冷たい飲食物を摂取した直後に数分ほど現れる頭痛をこのように呼びます。
アイスクリーム頭痛の原因とは?
かき氷 / Koji Horaguchi
アイスクリーム頭痛の原因は2種類あり、1つが「冷たいものを食べたことによる関連痛」もう1つが「血管の炎症」です。
冷たいものを食べたことによる関連痛とは、かき氷などの冷たい飲食物が喉を通過する際に脳神経で最も太い三叉神経が刺激され、このとき生じた神経伝達信号を脳が「冷たい」を「痛い」と勘違いして受け取ってしまい、頭痛を引き起こしています。
一方、血管の炎症とは、口の中の温度よりも極端に低い飲食物を摂取したことで、急激に口腔内の温度が低下し、その反動で急激に体温が上昇します。その際、頭部に血液を運ぶ血管が膨張し、血流が一時的に増えることで頭部の血管に炎症が生じ、これが痛みの原因となっています。
アイスクリーム頭痛を防ぐコツとは?
アイスクリーム🍨 / Kanesue
アイスクリーム頭痛は、かき氷やアイスクリームを食べているときでなければ体験することができない頭痛のため、なかには「この痛みが好きだ」という方もいらっしゃいます。
ですが、子どもたちや高齢者、偏頭痛をお持ちの方で、アイスクリーム頭痛のズキズキ・キンキンとした痛みを恐怖に感じる方もいらっしゃいます。
そこで、頭がズキズキ&キンキンするアイスクリーム頭痛を防ぐ方法をご紹介したいと思います。
その1「食べる直前に水を飲む」
喉の奥はヒトの体温とほぼ同じ37度前後なのですが、かき氷やアイスクリームなどの冷たいものを摂取すると、一気に18度まで低下してしまうため、三叉神経が刺激されて頭痛を引き起こしたり、一時的に血管が拡張して炎症を引き起こし、頭痛を招きます。
ですが、かき氷やアイスクリームを食べる直前にコップ1杯の水を飲用しておくことで、喉の温度が37度から25度にまで下がり、かき氷を食べた際に18度に下がっても頭痛を引き起こさなくなります。
その2「ゆっくり食べる」
アイスクリーム頭痛を引き起こす方々のかき氷の食べ方をみると、カッカッカッと急いで食べていることが多いことが分かりました。
夏は気温が高いため、かき氷が溶ける前に食べ切ってしまいたいという気持ちは分かりますが、慌てて食べてしまうとアイスクリーム頭痛を引き起こす原因となるため、口の中でかき氷をゆっくり溶かしてから飲み込むようにしましょう。
その3「温かい飲み物と一緒に食べる」
アイスクリーム頭痛の原因の1つに「口腔内の急激な温度低下による血管の炎症」があります。これを防ぐには、かき氷やアイスクリームを食べる際、温かいお茶や紅茶、コーヒーなどを一緒に摂取するのがオススメです。
口の中が冷たくなってきたと思ったら、温かい飲み物を飲んで、口腔内の温度を一定に保ちましょう。
アイスクリーム頭痛になってしまったときの対処法!
ice cream/アイスクリーム / amo_designare
アイスクリーム頭痛を予防するために3つの対策を取ったにも関わらず、アイスクリーム頭痛を引き起こしてしまった場合、冷えピタや氷嚢、アイスノンなどの冷たいもので額を冷やすと痛みが止みます。
レジャー・観光中やスポーツ観戦中など屋外でアイスクリーム頭痛を引き起こしてしまった場合は、キンキンに冷えたペットボトルやかき氷の入っている容器を額に当てると痛みが緩和されますので、慌てず冷静に対処しましょう。
まとめ
今回はかき氷頭痛の正式名称や原因、予防法などについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。アイスクリーム頭痛は、通常ならばすぐに治まる頭痛ですが、偏頭痛をお持ちの方や、体調・体質などによって症状が長引く場合がございます。
かき氷やアイスクリームを食べる際は、温かい飲み物を飲みながら、慌てずゆっくり食べるように心掛けましょう。