世界三大きのことして有名な「椎茸」は秋の味覚として古くから日本人に愛されてきた食材です。
日本では9世紀頃には中国から干し椎茸の作り方が伝わっていたのですが、日本の干し椎茸は品質・味・香りの全てが優れていたため、中国へ大量に輸出していたそうです。
しかし、日本は現在のようなしいたけの栽培技術がなく、山に自生している椎茸を加工して作っていたため、たいへん高級品として扱われていました。
1465年に伊豆にある円城寺から8代将軍の足利義政へと干し椎茸が献上されたという記述が残っています。
さらに戦国時代で活躍した豊臣秀吉は椎茸がとても大好きだったこともあり、椎茸は高貴な方々が召し上がる食材として一般市民は口にすることが出来ませんでした。
その後、徳川家康が天下を治め、年号が江戸に切り替わると椎茸の栽培が積極的に行われるようになり、庶民の間で椎茸を食べる習慣が誕生します。
徳川幕府のお達しを集めた「江戸町触集成」の1665年の項目に「生しいたけ」の調理法などが記述されており、この頃から既に生しいたけを用いた料理が広まっていたことが分かります。
現在でも椎茸は焼く・煮る・炒めるなど様々な料理に用いられており、さらに近年増加傾向にある健康志向及び自然志向の方々からの需要が高まっており、非常に人気の食材となっています。
しかし、生しいたけはとても繊細な食材ですので、冷蔵庫で正しく保存したとしても最大で1週間しか保存が利きません。そのため長期間の保存の際は冷凍保存するしかありません。
そこで、生しいたけを長期間保存させるための正しい冷凍保存方法をご紹介したいと思います。
生しいたけの正しい冷凍保存の方法とは?
しいたけ(大) / sabamiso
生しいたけを保存する場合は、新聞紙やキッチンペーパーなどに丁寧に包み、ポリ袋へ入れた状態で冷蔵庫の野菜室で保存します。
このとき、椎茸の軸を上にして保存するのがポイントです。しかし、これでは7日ほどしか保存が利きません。
そこで、生しいたけを冷凍保存し、長期保存を行う方法をご紹介したいと思います。
生しいたけを冷凍保存する場合、しいたけの傘部分と軸の部分に分けて保存します。
まず、生しいたけの軸を切り落とし、傘の部分をお好みのサイズにカットします。
その後、密閉袋へさきほどカットした生しいたけの傘を入れてゆき、しっかりと空気を抜いて冷凍庫へ保存します。
もちろん、生しいたけの傘の部分はカットせず、そのまま冷凍保存することも可能です。ですが、次回使用する際はそのままの状態で使用することになりますので、カットせずそのまま冷凍した場合は鍋ものなどに使用するようにしましょう。
冷凍保存する際に切り落とした軸の部分は、石突部分を取り除き、細かく割くことで食べることが出来ます。もちろん、傘と一緒に冷凍保存することも可能です。その際は、細かく割いてから保存するようにしましょう。
冷凍した椎茸の保存期間はおよそ1か月です。
冷凍した椎茸は解凍するとべっちゃりするので、解凍せずに調理してしまうようにしましょう。
椎茸の栄養素とは?
しいたけ / Matoken
生しいたけにはビタミンB1・B2、ビタミンD、そして食物繊維がたっぷり含有されているアルカリ性の食品です。
生しいたけは同じアルカリ性食品には含有されていないビタミンDが含まれており、さらいタンパク質やビタミンB群の含有量もずば抜けて高くなっています。
ビタミンDにはカルシウムの吸収を促す作用があり、骨密度を強化する働きを担っています。
また、食物繊維をたっぷりと含んでいるので、腸の働きを正常に保ち、コレステロール値を降下させる効果や椎茸に含まれるエリタデニンという成分の働きによて血液の流れをスムーズにさせる効能を得ることが出来ます。
他にも抗腫瘍作用を持つレンチナンや抗ウイルス活性効果を持つ糖タンパク質なども含有されており、生活習慣病から便秘解消、骨粗鬆症の予防に絶大な効果を発揮します。
また、生しいたけは冷凍保存することによって生の状態よりも栄養価が上昇します。
ですが、冷凍した生しいたけよりも天日干しした干し椎茸の方が優れた栄養価を持ってるので、覚えておくと良いでしょう。
まとめ
生しいたけは古くから日本人の食卓には欠かせない食材の1つです。
しいたけの旬は3月から5月と9月から11月の年に2度あります。
特に秋は椎茸が多く市場に出回るため、肉厚で美味しい椎茸をたくさん購入し、正しい方法で冷凍させ、1日1品椎茸料理を作って食卓に並べてみてはいかがでしょうか。