肉と野菜の独特な味わいが堪らない人気No.1鍋料理「すき焼き」は、豪華な食材をたっぷり使用した冬の定番メニューです。
そんなすき焼きですが、お雑煮や卵焼き同様、関東地方と関西地方で味が違うことをご存知ですか?今回は、すき焼きの関東地方と関西地方の味の違いをご紹介したいと思います。
すき焼きの歴史
この肉が最高 / ajari
日本ですき焼きが食べられるようになったのは、幕末を過ぎた頃からと言われています。
それまで、日本では牛肉を食べる行為は一般的ではなく、「杉やき」と呼ばれるタイなどの海鮮類と野菜を杉材の箱へ入れ、味噌煮にした料理が一般的でした。
また、1801年には「鋤やき」と呼ばれる使い古した農具の鋤(すく)を火にかざし、鴨などの鶏肉や鯨や魚類を加熱した焼き料理が食べられていました。
牛肉を使ったすき焼きが庶民の間で食べられるようになったのは、1859年になります。
この頃は横浜の港が開港を果たし、海外から食肉文化が伝わり、アメリカや中国などから食用牛を仕入れ、横浜入船町にある居酒屋「伊勢熊」にて、牛鍋屋をオープンさせ、文明開化の象徴として牛鍋屋は日本各地に広まっていったのです。
牛鍋という名が関西地方へ伝わり、1869年に兵庫県神戸市にて「月下亭」という牛鍋屋がオープンし、牛肉を焼いてから砂糖や醤油で調味された「すき焼き」が誕生したのです。
そして、関東大震災後、割り下を使用したすき焼きが全国各地に広まり、昭和30年の終わり頃には、ブランド牛が誕生し、すき焼きも高級鍋料理の1つとなったのです。
関東地方と関西地方の違い
すき焼き牛蔵 / Norio.NAKAYAMA
さて、すき焼きが関東地方で誕生した牛鍋が関西地方にてすき焼きへと変化し、現在に至るのですが、すき焼きは関東地方と関西地方では作り方が異なることをご存知ですか?
関東地方のすき焼きの作り方
①すき焼き鍋を熱し、牛脂を溶かしてゆきます。
②牛肉を広げながら、入れてゆきます。
③葱を入れて焼きます。
④割り下をひたひたになるまで注ぎます。
⑤順番にカットした野菜を加え、煮えたところから溶き卵につけて食べてゆきます。
関西地方のすき焼きの作り方
関西地方では、牛脂を溶かして牛肉を広げながら焼く手順までは関東地方同じなのですが、その後が異なります。
①~②は関東地方と同じ手順
③肉を裏返したら、お肉に火が八分ほど通ったのを確認し、砂糖を肉の表面が隠れるほど入れます。
④一呼吸置き、醤油を加え、さらにお酒も加えます。
⑤白菜などの水気が出やすい野菜を加え、順次カットした野菜を加えてゆき、煮えた部分から溶き卵につけて食べてゆきます。
まとめ
関東地方では、割り下を事前に用意しておき、始めに味を決めてから作るのが一般的ですが、関西地方では野菜の種類や量に応じて味をこまめに調節して作ってゆくので、すき焼きを作る方の腕次第で味が大きく変わります。
すき焼きには、関東風や関西風が代表的ですが、陶芸家でグルメ家の大北路魯山人氏が考案したネギすき焼きも絶品ですので、オススメです!
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