日本では北は北海道、南は沖縄県に至るまで幅広い地域で生産が行われている野菜なのですが、日本一の生産量を誇っているのが北海道であり、次いで愛知県、埼玉県となっています。この上位3道県は年によって入れ替わるため、国産ブロッコリーの聖地として知られています。
ブロッコリーには、緑ブロッコリー・ブロッコリースプラウト・スティックセニョールなど様々な品種があり、どのブロッコリーにも優れた栄養素がぎっしり詰まっているため、今では世界各国から大注目の緑黄色野菜となっています。
そんなブロッコリーには、なんとレモンのおよそ2倍、ジャガイモのおよそ7倍ものビタミンCが含有されており、たった100g摂取するだけで1日のビタミンC摂取量をクリアできると言われており、他にもビタミンAの前駆体であるβカロテン・ビタミンB1・ビタミンB2・カリウム・葉酸・フラボノイド・クロム・リンなどのビタミン類やミネラル類も豊富に含まれています。
さらにブロッコリーには、体内でスルフォラファンに変化するグルコラファニンという成分が含まれています。
グルコラファニンには、胃がんの原因と言われるヘリコバクター・ピロリ菌を退治する働きがあり、さらに抗酸化物質成分と抗がん物質も含んでいるため、ガン予防だけではなく、肝機能を向上する働きも有しています。
しかし、ブロッコリーには水溶性のビタミンがたっぷり含まれているため、茹でて食べる場合は栄養素の流出を防ぐために様々な工夫をする必要があります。
そこで、今回はブロッコリーの栄養を損なわずに茹で方と適切な時間についてご説明したいと思います。
ブロッコリーの栄養を損なわずに茹でる方法と時間とは!?
水菜とブロッコリーの胡麻味噌だれサラダ / Kakei.R
ブロッコリーに含まれている栄養素を損なわずに茹でるためには、正しい茹で方をマスターすることで栄養素の流出を最小限に抑えることができます。
ポイントは、ブロッコリーを茹でる際前の包丁の入れ方にあります。
ブロッコリーに含まれているビタミンCなどの栄養成分は、茹でたからと言って至る所から浸出されるわけではありません。ブロッコリーの栄養素は包丁を入れた切り口部分から行われるため、それ以外の場所からの流出はほとんど行われません。ですので、ブロッコリーを茹でる際は、極力切断面を増やさないように注意することが大切です。
また、ブロッコリーを茹でる時間にもポイントがあります。
ブロッコリーを茹でる際は、茹で過ぎてしまうと花蕾(からい)と呼ばれる食べられる部分がボロボロになってしまい、歯ごたえもベチャベチャと悪くなってしまいます。さらに、熱に弱い栄養成分も染み出ていってしまうため、栄養素をほとんど含んでいないブロッコリーが誕生してしまいます。
では、ブロッコリーの栄養素を逃さない正しい茹で方をご紹介してゆきます。
ブロッコリーの正しい茹で方
①たっぷりのお湯を用意し、ブクブクと強火で沸騰させます。
②塩を入れて、しっかり溶かします。
③ある程度小分けしたブロッコリーを②へ入れます。
④プカプカと浮いてきたら菜箸を使ってブロッコリーを沈めます。
⑤1分30秒ほど経過したらざるに上げて、水にさらさず、そのまま放置します。
これがブロッコリーの正しい茹で方になります。また、少ない水でブロッコリーの栄養素を損なわせない茹で方「蒸し茹で」の方法もご紹介します。
ブロッコリーの蒸し茹で方法
①ブロッコリーを水洗いし、花蕾の付いていない細い茎と太い茎を切り落とし、小分けします。
②花蕾部分に付着したゴミや汚れなどを落とすため、水を張ったボウルにしばらく浸します。
③先ほど切り落としたブロッコリーの太い茎の表皮を包丁の刃の部分でこそぎ落とし、乱切りにしてゆきます。
④大きめの鍋を用意し、ブロッコリーの1/5ほどが隠れるくらいの水を注いで、煮立たせます。
⑤④の鍋に小分けしたブロッコリーと茎、塩を入れ、蓋をして中火で蒸し茹でにします。
⑥およそ3分から4分ほどで火が通るかと思いますので、竹串などを使って茹で加減を確認しながら蒸してゆきます。
⑦ほどよい柔らかさになったら、ざるに上げ、うちわなどを使って速やかに冷ましてゆきます。
他にも蒸籠を使ったり、電子レンジや圧力鍋などでもブロッコリーの栄養を損なわずに茹でる方法はありますので、使い慣れている調理器具や家電を使ってブロッコリーを茹でてゆきましょう。
ブロッコリーの茎を食べるための適切な下処理方法!
豚肉とブロッコリーのオイスターソース炒め / Kakei.R
適切な方法で茹でたブロッコリーには、およそ50mgのビタミンCが含有されておりますので、100g摂取することが出来れば、1日のビタミンC摂取量の半分をクリアすることができます。
ですが、不適切な茹で方をしてしまうと、ビタミンCの含有量は大幅にダウンしますので、茹で時間などにも注意が必要です。
また、ブロッコリーの茎には花蕾よりも豊富なビタミンCやβカロテンなどが含有されておりますので、捨てるのは非常にもったいない行為です。
ですが、花蕾よりも硬い茎の部分は茹でるのに時間がかかりますし、生のまま食べることもオススメできませんので、茎の栄養を外部に逃さず、まるごと摂取するための下処理方法をご紹介します。
ブロッコリーの茎の正しい下処理方法
①茎の根元部分にある丸い切り口に包丁で十字の切込みを入れます。
②熱湯に食塩を溶かし、茎の部分から入れて歯触りが残る程度まで下茹でします。
③ざるに上げ、うちわなどを使って速やかに冷ましたら完了です。
下処理を行ったブロッコリーの茎は炒めものや煮込み料理などの具材として活用してゆきましょう。
まとめ
今回はブロッコリーの栄養を損なわずに茹で方と時間についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
ブロッコリーはとても健康と美容に効果的な食べ物ではありますが、食べ過ぎてしまうと体臭が強くなったり、栄養素の吸収を阻害してしまうため、元気が無くなったりなどの副作用を引き起こす可能性があります。
これからブロッコリーを食べる際は食べ過ぎないように注意しつつ、茎や花蕾に含まれている優れた栄養素を逃さないように調理して行くようにしましょう。