シークワーサーは、酸味の強い爽快な香りを持つ香酸柑橘であり、和名にすると「平実檸檬(ヒラミレモン)」となります。直径3cmから5cmほどの可愛らしいシークワーサーの果実は、1本の樹木に500個以上実ると言われており、8月ごろに収穫される果皮が鮮やかな緑色をした「青切り」は、そのまま食べることもできますが、酢の物にするとより美味しくなります。
爽快な香りを持つシークワーサーは、夏のフルーツというイメージが強いですが、梨や柿などと同じく秋の味覚であり、これからの時期が丁度食べ頃となっています。そこで、今回は沖縄県の特産フルーツ“シークワーサー”の効果や効能についてご説明したいと思います。
シークワーサーとはどんなフルーツなの?
okinawa blue / Takayukix
シークワーサーとは、奄美諸島や沖縄本土・南西諸島・台湾などに分布している柑橘類であり、橘の近縁種だと言われています。日本国内では、沖縄県大宜味村(おおぎみそん)にて栽培が盛んに行われており、食用だけではなく観賞用として、各家の庭先に植えられているそうです。
ちなみに、最近では鹿児島県や和歌山県の一部地域でもシークワーサーの栽培が行われるようになり、近い将来には鹿児島県産や和歌山県産のシークワーサーが市場に出回るかもしれませんね。
シークワーサーの旬は1年に3度あり、それぞれの収穫シーズンによって用途が異なり、
・8月から9月にかけて旬を迎える果皮が鮮やかな緑色をした「青切り」は酢の物用
・10月から12月に旬を迎えるものは泡盛によく合う原液ジュース用
・果皮が黄色へと変化し、酸味が和らいで糖度が増す12月下旬から2月に旬を迎えたものは生食用
として、それぞれ加工されます。
1年に3度あるシークワーサーの収穫時期ですが、1番オススメの時期が、8月から9月に収穫される青切りです。レモンやすだちのように秋刀魚や鯖などの焼き魚にかけると、シークワーサーが持つ香りと酸味の深みが魚の旨みをしっかり活かし、今までに味わったことの無い味わいを体験することができます。
シークワーサーの効果や効能について
お刺身にもシークヮーサー / kawanet
シークワーサーという名は、沖縄県ならではの呼称であり、沖縄県の方言で「シー」は「酸」、「クワーサー」は「食べさせる」という意味を表しています。
シークワーサーには、コラーゲンの合成やメラニン色素の排出に効果的なビタミンCや糖質の代謝を促すビタミンB1、「脳の栄養素」と呼ばれているレシチン・不要な水分や老廃物などを体外へと排出させるカリウムなどが豊富に含まれておりますが、なかでも特に注目して頂きたいのが、クエン酸・ノビレチン・ヘスペリジン・リモネンの4つです。
【クエン酸】
シークワーサーの酸味成分は“クエン酸”であり、ブドウ糖の燃焼を助力し、体内に蓄積された乳酸などの疲労物質を炭酸ガスへと分解し、尿と共に体外へ排出する働きがあります。また、血流改善やカルシウムの吸収を促す作用もあります。
【ノビレチン】
柑橘系であるシークワーサーには、みかんやグレープフルーツにも含有されている“ノビレチン”という成分が含まれているのですが、実はシークワーサーは柑橘類でもトップクラスのノビレチンの含有率を誇っています。ノビレチンは、主に基礎代謝の向上・脂質代謝改善・抗動脈硬化および血圧の正常化・血糖値の上昇抑制などに効果を発揮します。
そのため、ダイエットやメタボ予防、抗炎症作用によるニキビなどの肌トラブルの改善にも有効ですので、シークワーサーはダイエット中の方や美容に気を遣っている方にオススメの食材と言えるでしょう。
さらに、近年の研究によって関節リウマチ及び変形性関節症の改善・皮膚炎予防・増殖糖尿病網膜症の改善・アルツハイマー病の予防などにも効果が認められており、老若男女問わず注目を集めている栄養素となっています。
【ヘスペリジン】
シークワーサーには、柑橘系の植物に含有されている“ヘスペリジン (通称:ビタミンP)”が含有されており、毛細血管の強化・血液サラサラ効果・血圧およびコレステロールの降下・抗がん作用などに効果が期待されています。
また、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー反応による炎症を抑える効能も備わっておりますので、アレルギー諸症状に悩んでいらっしゃる方には積極的に摂取して頂きたい栄養素のひとつでもあります。
【リモネン】
シークワーサー特有の爽快な香りには、ピネンやテルピネンなどの芳香成分が含有されていますが、最も豊富に含まれている成分が“リモネン”です。
リモネンとは、健康に良い効果をもたらすファイトケミカルのひとつでもあり、リラクゼーション効果を得ることができます。また、ピネンやテルピネンなどの芳香成分は、ヒノキやユーカリにも含有されている爽やかな香り成分であり、殺菌作用などを有しています。
他にも、ポリフェノールの1種である“エリオシトリン”をはじめ、ビタミンB2・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビタミンB6・ビタミンE・カルシウム・リン・マグネシウムなども含まれておりますので、健康に良い食べ物と言えるでしょう。
まとめ
今回はシークワーサーの効能についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。よく「シークワーサーで便秘が解消する」と言われますが、おそらくシークワーサーに含まれている栄養素によって体質が改善され、便秘が解消されているのではないでしょうか。
シークワーサーの推奨摂取量ですが、目安として1日に22個分が理想的とされていますが、果実を直接呼応乳されて召し上がる方はいらっしゃらないと思いますので、シークワーサー100%の沖縄県産、無糖タイプの青切りジュースを購入し、1日1杯から2杯ほど摂取するのがオススメです。
何事も適量が健康への近道ですので、適量を守って正しく摂取しましょう。