みかんといえば、有田みかんや愛媛みかん、三ケ日みかんなど様々な種類がありますが、全て温州みかんのことを指していることをご存知ですか。
そして、その温州みかんには、宮川早生や南柑20号、晩生温州など様々な品種があり、これらの品種を地域の名前にし、ブランド化を図ることで、生産地域独特の香味の違いを楽しむことができるようになっています。
さて、様々な種類のあるみかんですが、実は1日に2個以上摂取してしまうと、食べ過ぎとなり、身体に異変が現れることがあります。そこで、今回はみかんの食べ過ぎによる病気についてご説明します。
みかんの食べ過ぎによって引き起こる病気とは?
mandarin / みかん / Kanko*
みかんには、ビタミンCやクエン酸、食物繊維の1種であるペクチンにみかん色素のβクリプトキサンチンなどが豊富に含まれており、免疫力の向上・疲労回復・骨粗鬆症予防・糖尿病の進行抑制・コレステロール降下作用・便秘や下痢の解消など健康や美容に関する様々な効果や効能を得ることができます。
しかし、厚生労働省では、日本人が1日に摂取してほしい果物の理想的な摂取量は200gと定めており、みかんに当てはめると、およそ2個分に相当すると言われています。
ですが、1度食べたら止まらなくなってしまうのが、みかんの不思議なところでもあります。そのため、ついついみかんを食べ過ぎてしまったという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
みかんの食べ過ぎによって引き起こる症状
Japanese Orange / Rei315
もし、みかんを食べ過ぎてしまった場合、以下の症状が現れることがあります。
柑皮症
柑皮症とは、βクリプトキサンチンやβカロテン、ルテイン、ゼアキサンチンなどのカロテノイドを過剰摂取したことで引き起こる病態です。
カロテノイドは、紫外線から皮膚を守るための重要な栄養素であり、健康的な皮膚の色を維持する作用があります。しかし、カロテノイドを過剰摂取してしまうと、角質層の細胞脂質に蓄積されてしまい、角質の厚い手のひらや足および膝の皮膚、鼻唇溝が黄染しやすくなります。
みかんには、βクリプトキサンチンが含まれておりますので、過剰摂取してしまうと、柑皮症になってしまいますので、気を付けましょう。
みかんの食べ過ぎによる柑皮症の場合、食べるのを中止することで症状が自然に回復してゆきますが、内分泌異常や代謝異常などの場合は自然回復しませんので、もし眼球結膜に黄染が見られる場合は、速やかに信頼できる医師に診てもらうようにしましょう。
口内炎および胃痛
みかんを過剰摂取すると、口内炎や胃痛を引き起こします。中学校の理科の授業にて「pH」という言葉を耳にしたことがある方も大勢いらっしゃるかと思います。
pHとは、水素イオン指数のことであり、数値によって酸性・中性・アルカリ性に分けられます。みかんのpHは、みかんの品種によって異なりますが、平均3から4ほどであり、酸性に分類されます。
酸性の食べ物は、物を溶かす作用を持っておりますので、口の中が酸性の状態を維持してしまうと口内の粘膜が溶け出してしまい、傷が出来てしまい、口内炎を引き起こしてしまいます。
また、みかんは身体を冷やす作用がありますので、食べ過ぎてしまうと胃痛などを引き起こす危険性があります。特に空腹時にみかんを摂取してしまうと、みかんの酸が胃壁を溶かし、胃痛を誘発してしまいますので、気を付けましょう。
みかんの酸による口内炎を予防する際は、みかんを食べた後にうがいをして口内を中性に保つようにし、胃痛を予防するには食後に摂取するように配慮しましょう。
肥満
みかんにはフルクトースと呼ばれる果糖が豊富に含まれています。果糖は、通常の糖分よりも体内に中性脂肪を溜めやすい性質を持っており、さらにコレステロールの生成を促してしまいます。
果糖は、みかんだけではなく、全ての果物に含まれている成分ですので、みかんだけが特別太りやすいというわけではありません。みかんによる肥満を防ぐには、食べ過ぎなければ良いだけですので、1日の摂取量を守って食べるようにしましょう。
下痢
みかんで下痢を引き起こす理由は、ビタミンCの過剰摂取によるものです。便秘気味だから丁度良いとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、もし便秘気味の方がみかんを過剰摂取してしまうと、吐き気や頭痛を引き起こす恐れがありますので、絶対にやめましょう。
みかんの食べ過ぎによる副作用ですが、もう1つ意外なものがございます。みかんを食べ過ぎた翌日に尿検査を受けてしまった場合、尿から糖が検出される恐れがありますので、再検査を受けることになってしまう場合があります。健康診断を受ける方は、前日にみかんを大量に食べないように気を付けましょう。
まとめ
今回はみかんの食べ過ぎによる病気についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
みかんに限らず、いかなる食べ物であっても過剰摂取は身体に毒ですので、1日の摂取量を守って食べるように心掛けましょう。