鯖は、スズキ目サバ亜目サバ科サバ属に分類される魚の総称であり、マサバ・ゴマサバ・タイセイヨウサバの3種類が有名です。日本海近海で漁獲されるマサバは、近年1尾5,000円を越すほど高値で取引されており、高級魚として扱われているため、なかなか口にすることができません。
そのため、スーパーやデパートなどの鮮魚コーナーで販売されている鯖の多くが海外から輸入されたセイヨウサバもしくは、1年を通して漁獲可能なゴマサバとなっています。
鯖といえば、焼きや味噌煮、しめサバに船場汁など和食の定番食材として大活躍しておりますが、出来れば脂ののった美味しい鯖を調理して召し上がりたいと思いませんか。
そこで、今回は鯖の旬の時期と主な産地についてご説明したいと思います。
鯖の旬の時期はいつ頃?
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秋の味覚“鯖”の旬は、10月から2月の晩秋から厳冬にかけてとなります。特に日本近海で獲れるマサバは、秋サバや寒サバと呼ばれ、1年で最も脂がのっていて旨いと言われています。
ですが、1年を通して漁獲可能なゴマサバは脂質が少なく、味が変わらないため、安定した味わいが愉しめますが、脂ののったプリップリのマサバを食べられるのはこの時期しかございませんので、この機会にマサバを食べてその違いを感じて頂ければと思います。
マサバ・ゴマサバ・セイヨウサバの違いですが、青緑色をした背に見える黒褐色の斑点模様で判別することができます。では、その違いをご説明しましょう。
・マサバ⇒虫が食ったような細やかな斑点模様をしており、腹の部分が純白。
・ゴマサバ⇒マサバのような細やかな斑点模様の他に腹の部分にも斑点が見られる。
・セイヨウサバ⇒「く」文字のような太い黒褐色が背に描かれている。
セイヨウサバは、北大西洋を回遊しているため、脂肪含有量がシーズンオフで27%、旬の時期になると30%を越すと言われており、実はマサバよりも脂がのっていて美味しいのです。
今が旬のマサバを召し上がるか、高級魚であるマサバを食べるのかは、お財布と相談してから決めるのが良いでしょう。
鯖の主な産地をご紹介
焼き鯖 / Le Ciel Azuré
鯖は回遊魚ではありますが、マグロなどとは異なり外洋を大きく回遊することはありません。そのため、鯖の漁獲が盛んな地域ではブランド化が行われています。
ブランドサバの代名詞と言えば「関サバ」ではないでしょうか。関サバのブランド化は1980年代のバブル崩壊時期と重なっており、当初は200円から300円ほどで購入出来た鯖がブランド化によって10倍の値が付くようになりました。
現在では愛媛県側の豊予海峡で獲れるマサバを「岬(はな)さば」、神奈川県の「松輪さば」、三陸石巻の「金華さば」、青森県の「八戸前沖さば」などがあり、現在ではマサバだけではなく、ゴマサバのブランド化も行われており鹿児島県屋久島の「首折れ鯖」や高知県土佐清水の「清水さば」は、とても有名です。
さて、様々な地域でブランド化が行われている鯖ですが、ブランドさばではなく、もう少しお手頃な価格の鯖が食べたいという方も大勢いらっしゃるかと思います。そこで、日本で漁獲されている鯖の産地をご紹介したいと思います。
鯖の漁獲量日本一は茨城県であり、それに続くかたちで、東京都・静岡県・三重県・宮崎県・千葉県・長崎県・鳥取県・島根県・神奈川県などが挙げられます。マサバは冷水温を好むため、奄美大島南西の海ではほぼ漁獲されません。
まとめ
今回は鯖の旬の時期や主な産地についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
「鯖の生き腐れ」という言葉があるとおり、大喰の鯖には強力な消化酵素が含まれており、水揚げと同時に鯖時代が自身の消化酵素によって腐敗してゆきます。そのため、外見は生き生きとして美味しそうに見えても中身が腐っていることが多々あります。
最近では速やかに鯖を処理して冷蔵しているため腐敗しているものは少ないですが、鯖を購入した際は、その日のうちに加熱調理を行って食べ切ってしまうように心掛けましょう。