これから旬を迎える野菜の代表「大根」は、日本ではとっても馴染み深い野菜の1つです。
大根の出荷量は北海道がNo.1なのですが、収穫量は千葉県が第1位となっており、北海道は第2位となっています。
大根といえば、春の七草の1つ「すずしろ」として有名ですが、七草粥以外にも漬物やおでんなどがパッと思い浮かぶ方も多いかと思います。実は大根は和食だけではなく、フレンチやイタリアンなど和洋折衷の料理に活用され、煮る・焼く・蒸す・生など様々な方法で調理することができる万能野菜なのです。
そんな大根ですが、すりおろして大根おろしにすると効果・効能がグンっとアップする野菜だったのです!
そこで、今回は大根おろしの優れた効果・効能をご紹介したいと思います。
若い女性の間で話題の薬味「大根おろし」の優れた効能をご紹介!
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大根おろしは昔から「医者いらず」と呼ばれ、健康に良い食材としてたいへん重宝されてきました。
大根はあっさりとした淡泊な味の野菜のため、じっくりコトコト煮込むことで出汁が浸み込み、箸がスーッと入り、口の中でじゅわ~と広がるのが堪りませんよね!
ですが、大根の持っている栄養素を丸ごと摂取したいとお考えの方は、生のまま召し上がるのがオススメなのです!
生の大根には抗酸化作用のビタミンCや消化酵素、辛み成分などがたっぷり含まれており、これらの栄養素は調理することで失われてしまうからです。
ですが、生の大根をボリボリ食べるのは正直辛いですよね。
そこで、オススメなのが、生の大根をすりおろして作られる薬味「大根おろし」です。
大根おろしとイソチオシナネート
大根はすりおろすと独特の辛味が出てきて、ツンとする香りがします。
この大根おろし独特の辛味成分は「イソチオシナネート」といい、お寿司などに使われるわさびにもたっぷり含まれています。
イソチオシナネートは、大根おろしやわさびの他に、キャベツやブロッコリー、高菜などのアブラナ科の野菜に含まれているのですが、これらの野菜を食べても辛いと感じたことはありませんよね。
その理由は、グルコシノレートと呼ばれる配糖体として野菜に含有されており、体内に摂り込まれることでグルコシノレートがイソチオシナネートへと変換されるからです。
大根おろしに含まれるイソチオシナネートは、元々大根の栄養成分として含まれているわけではなく、すりおろしたりカットすることで大根の細胞が破壊され、イソチオシナネートの前駆体となるグルコシノレートとミロシナーゼと及ばれる酵素が反応し、イソチオシナネートが誕生するのです。
なので、大根は大根おろしとして調理されなければ、消化酵素の効能を得ることが出来ないのです。
大根おろしに含まれる物質
昨日贅沢しすぎたので今日は大量の大根おろしを食べます。 / senov
イソチオシナネートの効果・効能は、殺菌及び解毒作用、抗炎症効果に優れており食中毒の予防や抗ガン作用、血液をサラサラにする働きが挙げられます。
また、消化促進と抗酸化作用も含まれているので、美肌効果やアンチエイジング効果も得られます。
特に大根の先端部分と表皮にイソチオシナネートとなる成分がたっぷり含まれているので、健康と美容効果を得たい方は、大根の先端部分を表皮ごと大根おろしにすることをオススメします。
大根おろしには、辛み成分「イソチオシナネート」の他に酵素もたっぷり含まれています。
生の大根には、デンプンを分解する酵素「アミラーゼ」・タンパク質を分解する酵素「プロテアーゼ」・脂肪を分解する酵素「リパーゼ」などが含有されており、消化をサポートする働きがあります。
大根おろしは「天然の消化剤」とも呼ばれており、胃や腸の働きを整え、胃もたれ・胸焼けの緩和・胃潰瘍や胃炎の予防などにも効果があります。
また、大根おろしは若い女性の間でダイエットに効果のある食品として注目を集めており、今では「大根おろしダイエット」という新しいダイエット方法も確立されています。
まとめ
今回は大根おろしの優れた効果・効能をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
大根おろしは、密閉袋に入れて冷凍保存する方もいらっしゃいますが、冷凍保存するとせっかくの栄養成分が失われてしまうため、大根おろしで体質改善を行いたいという方は冷凍保存を避けた方が無難です。
大根おろしは北関東地方の郷土料理「しもつかれ」や長野県の郷土料理「おしぼりうどん」、福井県の郷土料理「越前おろしそば」など大根おろしを使った日本各地の郷土料理をこの機会に堪能してみてはいかがでしょうか。