初夏の味覚「枇杷」の旬の時期&気になる栄養価とは!?

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初夏の味覚「枇杷」の旬の時期&気になる栄養価とは!?

5月から6月にかけて旬を迎える初夏の味覚「枇杷」は、仏典にて「薬王樹 (やくおうじゅ)」という名で登場しており、インドでは古来より非常に薬効の高い植物として重宝されてきました。

枇杷は中国原産の植物であり、6世紀には既に栽培が始められていたと言われており、日本にも野生種が存在したそうですが、現在日本国内で栽培されている枇杷は全て中国からやってきた品種となっています。

日本では長崎県や千葉県を中心に栽培が行われており、千葉県以西の太平洋側で温暖な地域でのみ栽培が可能な果樹となっています。

枇杷の旬は5月から6月の初夏だとご紹介しましたが、実際は1月頃にハウスで栽培が行われている早生種が長崎県から出回り始め、3月頃から茂木枇杷が市場に出回ります。

さて、初夏の味覚「枇杷」ですが、気になるのがその栄養価です。仏典には「薬王樹」として枇杷が紹介されるなど、世界各国から注目を集めるほど優れた効果や効能を持つフルーツとして注目を集めています。

そこで、今回は枇杷の品種毎の旬や気になる栄養価についてご説明したいと思います。

枇杷の品種とそれぞれの旬のご紹介



loquat / 枇杷 / Kanko*

現在日本で栽培されている枇杷の主な品種は、茂木・長崎早生(長崎びわ・田村びわ)・涼峰・なつたより・福原早生/甘香・陽玉などになります。

【茂木】


「西の『茂木』、東の『田中』」と言われるほど有名な枇杷の品種が「茂木」です。

長崎県にある出島は、鎖国中の我が国唯一の貿易港としてポルトガルや中国などと交流を深めてきました。その際、長崎県の代官屋敷で奉公していた三浦シオさんという女性が、中国商船によって持ち込まれた「唐枇杷」の種子を茂木町にある自宅の庭に埋めたのが茂木枇杷の始まりです。

長崎県で栽培されている枇杷のおよそ55%が茂木枇杷だと言われており、果重は40gから50gとやや小ぶりなのですが、穏やかな酸味と強めの甘みが特徴です。茂木の主な産地は、長崎県・鹿児島県・香川県となっており、旬の時期は5月から6月となります。

【長崎早生】


1月頃から出荷が始まる「長崎早生」は、茂木と本田早生の交配によって誕生した品種であり、寒さに弱いので、ハウスでの栽培が行われています。果重は40gから60gほどで、糖度は標準よりも高めとなっており、ジューシーで上品な味わいが特徴です。

【田中】


1879年頃に植物学者の田中という方が、長崎県で食べた枇杷を東京都へ持ち帰り、自宅の庭に植えて育てたのが始まりと言われる「田中枇杷」は、釣り鐘上のかたちが特徴の枇杷であり、果重は60gから80gとやや大きく、甘味と酸味のバランスが絶妙なのが特徴です。

田中枇杷は、主に千葉県・愛媛県・香川県・兵庫県などで栽培が行われており、6月に旬を迎えます。

【涼峰】


昭和49年に長崎県果樹試験場にて「楠」と「茂木」を交配させて誕生したのが「涼峰」です。2007年3月に品種登録されたばかりの新しい枇杷ですが、生産量が極めて少なく、高級枇杷として取引されています。涼峰の旬は、5月の中旬から6月初め頃となっており、旬の時期がとても短いのが特徴です。

【陽玉】


1973年に長崎県果樹試験場にて「茂木」に「森本」を交配させて、実生した中から選抜育成されたのが「陽玉」です。

1999年に品種登録が行われ、現在では日本各地で栽培が行われています。陽玉は、生育地である長崎県大村市では6月上旬に旬を迎え、出荷の最盛期は6月下旬から7月上旬にかけてとなっています。

他にも、大房・なつたより・瑞穂・涼風・麗月・土肥・白茂木・希房など様々な品種があり、5月下旬から7月にかけて出荷が行われています。


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枇杷の持つ優れた栄養価とは!?



枇杷 / llee_wu

枇杷は、種子が大きいため、可食部が非常に少なく感じられますが、実際は67%の可食部があり、スイカやバナナ、八朔などに比べると食べる部分が多いフルーツなのです。

枇杷には、糖質が豊富に含まれており、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類やビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2にビタミンC、ナイアシンなどのビタミン類、さらに、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸もたっぷり含有されている非常に栄養価の高い果実です。

また、枇杷は果実だけではなく、葉にも優れた薬効があり、タンニン・アミグダリン・ビタミンC・βカロテン・クロロゲン酸などが豊富に含まれています。

そのため、枇杷の果実や葉を摂取すると、

・生活習慣病の予防と改善
・ダイエット効果
・免疫力の向上
・感染症予防
・老化予防
・抗炎症作用
・大腸の炎症による下痢の予防
・疲労回復作用 など

様々な効果や効能を得ることができます。


また、枇杷の種子から抽出したエキスには肝細胞の効果を予防する成分が高地医大附属病院薬剤部によって枇杷の種子には、なんとコレステロール融解作用を持つリノール酸やリノレン酸、高脂血症を改善させる働きを持つ成分が含有されていることが明らかにされたのです。その結果、アルコール性肝障害の治療などの治療に有効だということが判明し、注目を集めました。

まだまだ、枇杷の持つ優れた薬効については全て明らかにされていないため、今後どのような研究結果が報告されるのか気になるところでもあります。。

まとめ


今回は枇杷の旬や栄養価などについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。枇杷は古来より薬として用いられてきたため、枇杷が植えられた屋敷には病気を治してほしい人々が集まり、枇杷を屋敷に植えると病人が絶えないという噂が広まるようになりました。

そのため、日本では枇杷は縁起の悪い食べ物として扱われるようになってしまったそうです。ですが、枇杷はとても健康と美容に絶大な効果や効能を発揮する優れたフルーツですので、是非この機会に枇杷を食べて暑い夏を健やかに乗り切ってみてはいかがでしょうか。


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  • 2016 05.07
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