ししとうといえば、10本中必ず1本は辛いものが混ざっていると言われており、別名「ロシアン・ベジタブル」と呼ばれています。
子どものころ、大人に「ししとうは辛くないよ」と教えられ、ひと口食べてみると、強烈な辛味が口に広がり、それ以来恐怖でししとうが食べられなくなってしまったという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
ししとうは、唐辛子の甘味種であるため、基本的にはピーマンと同じなのですが、なぜ辛味の強いししとうが生まれてしまうのでしょうか。
今回はししとうの辛いものと辛くないものの見分け方についてご説明したいと思います。
ししとうってどんな野菜なの?
Shishito peppers stir fried ししとうの炒め物 / naotakem
ししとうとは、中南米の熱帯地域原産のナス科トウガラシ属、唐辛子甘味種の1種です。
ししとうという名の由来は、凸凹とした起伏のある形状が獅子の顔のように見えることから命名されたそうです。
6月から10月にかけて旬を迎え、日本では高知県を筆頭に、千葉県、和歌山県にて積極的に栽培が行われており、成熟すると実が赤くなるのですが、普段私たちが食べているししとうは熟す前に収穫された未熟果実であり、小さくて肉薄なのが特徴となっています。
唐辛子は15世紀にイタリアの航海者・コロンブスによって中南米からスペインへと持ち込まれ、ヨーロッパの涼しい気候によって辛味の少ない品種が誕生したのです。
その後、辛味のある唐辛子が16世紀に日本へ伝わると、各地で栽培が行われるようになったのですが、明治時代に甘味種が伝わったのですが、辛味のある唐辛子と比べると人気がなく、広く栽培が行われるようになったのは第二次世界大戦後だと言われています。
ししとうには、ビタミンCが豊富に含まれており、免疫力の向上や美肌効果などに効果を発揮します。また、カリウム・ビタミンB6もビタミンC同様、たっぷり含有されておりますので、血圧の上昇を抑制やむくみ解消、エネルギー代謝などに効果を発揮します。
ししとうには、優れた抗酸化作用を持つβカロテンも含まれておりますので、油で炒めて摂取すると効率良く摂取することができるとも言われています。
もちろん、ししとうは唐辛子の1種ですので、脂肪燃焼作用や血行促進効果が得られるカプサイシンも含まれています。
辛くないししとうを見分けるコツとは!?
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同じししとうなのに、なぜか1本だけ辛いものが混じっているということが多々あります。
その原因は、ししとうに何かしらの強いストレスがかかった場合や交配によるものだと言われています。
ししとうは、水分不足などに陥るとストレスがかかり、辛くなってしまいます。特に夏の終わり頃に収穫されるししとうは辛いものが多いそうですので、この時期にししとうを購入される際はご注意ください。
交配によって辛味が増す場合は、自然の摂理ですので避けることはできません。
辛いししとうと辛くないししとうを見分けることは八百屋のご主人であっても、生産者であっても見極めることは非常に困難だと言われています。そのため、辛いか辛くないかは食べるまで分からないのが現状となっており、どうしても辛くないししとうを食べたいというのであれば、旬の時期を狙うのがポイントとなっています。
もしも時期外れのししとうを購入してしまった場合は、ししとうで最も辛味の強い種子とヘタの部分を取り除き、調理するのがオススメです。
まとめ
今回はししとうを見分けるコツについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
辛いししとうは、唐辛子の代用として使用することができますし、京野菜の“万願寺唐辛子”を購入するのが良いでしょう。ですが、ここはやっぱり「ロシアン・ベジタブル」こと一般的なししとうを用意して、家族や友人たちと楽しい食事の時間を過ごすのが一番です!
では、暑い夏をししとうを食べて、健やかに若々しく乗り切ってゆきましょう!