セリ・ナズナ・ハコベラ・スズシロ・ゴギョウ・ホトケノザ・スズナと春になると芽を出す可愛らしい7つの植物を春の七草と呼びます。
これらの七草は「日本のハーブ」として海外でも注目を集めており、お正月明けの疲れ切った胃を落ち着かせる効果があります。
七草粥とは?
七草粥の始まりは、400年余続いた平安時代の頃から食べられていたのですが、私たちが食べている七草粥は室町時代に食べられていた汁物が起源となっています。
ところで、皆さんは七草粥をいつ頃召し上がっていますか?おそらく1月7日に食べていると答える方が多いのではないでしょうか。
では、なぜ1月7日に七草粥を食べるのでしょうか。
今回は、1月7日に七草粥を食べる由来や意味をまとめてご紹介したいと思います。
七草粥を食べる日はいつ頃がベストなの?
Nanakusa-Gayu (七草粥) – 7 herb porridge / mdid
七草粥を食べる日は1月7日が定番となっていますが、なぜ1月5日や1月8日ではないのでしょうか。
実は、毎年1月7日は「人日(じんじつ)の節句」と呼ばれており、中国では1月7日を人へ刑罰を与えてはいけない日と定めています。
もちろん、1月7日だけではなく、1月1日から1月8日までのそれぞれに「鶏・狗(犬)・猪(豚を含む)・羊・牛・馬・人間・穀」が順に当てはめられており、それぞれの日に該当する動物や植物を害してはなず、元旦より8日間は地球上に存在する全ての動植物を大切にする日となっています。
人日にあたる1月7日の日には、7種菜羹(しちしゅさいのかん)を食べ、無病息災を願うという風習が中国はあります。
この風習が平安時代の頃に中国から日本へ伝わると、降り積もった雪の中から太陽の日差しを浴びるために懸命に姿を現した芽を摘み取る「若菜摘み」と呼ばれる風習と中国から伝わった7種菜羹が融合し、7種の若菜を入れた「七草粥」が誕生したのです。
現在の七草粥には「セリ・ナズナ・ハコベラ・スズシロ・ゴギョウ・ホトケノザ・スズナ」が定番ですが、平安時代の頃は「粟・黍・米・稗・胡麻・小豆・蓑米」の7種類が使用された粥を食べていたそうです。その後、鎌倉時代になり、現在のスタイルへと落ち着いたと言われています。
七草粥を食べる由来と意味とは?
七草粥。 / adelie33_Asako
七草粥は人日の節句に食べられる食事なのですが、どのような由来や意味が込められているのでしょうか。
七草粥には無病息災という意味があると言われていますが、これは、春の七草たちは誰よりも早く春を感じ、雪が降り積もった状態の地表からひょっこり芽を出すため、邪気を払う効果があると信じられてきました。
また、春の七草には胃や腸への負担を軽減させる効果があるため、こってりした味の料理やおせち料理などによって疲れた胃や腸を落ち着かせ、回復させる効果があるため、人日の節句に食べられるなど様々な意味が込められています。
本来の七草粥を食べる由来は、邪気を払い、無病息災及び五穀豊穣を祈るという意味が込められており、出世を願うものです。
なので、七草粥を食べる際は、お昼や夜ではなく、朝に食べることをオススメします。
まとめ
今回は1月7日に七草粥を食べる由来や意味をまとめてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
七草粥には先人たちの知恵がたっぷり詰まっており、お正月明けで弱った内臓を優しく癒してくれる身体に優しい料理です。
そのため、子どもたちからはあまり人気が無く、食べたがらないという場合があります。そういったときは、お漬物を出したり、鶏ガラスープにツナ缶を入れたり、ごま油の風味がほのかに薫る半熟卵付き七草粥などにアレンジして食べるのがオススメです。
七草粥を食べるのも大切ですが、全員が最後までおいしく召し上がることがとっても重要なので、今年の七草粥は様々なアレンジを加えて、おいしく召し上がってみてはいかがでしょうか。