日本では、長寿やお正月などのお祝いごとなどに「鯛」を食卓やお土産として用います。実はこれには意味があり、鯛と「目出度い(めでたい)」をかけて、縁起の良い語呂合わせということからおめでたい席には鯛を用いるようになったと言われています。
また、日本では古くから赤色を尊く侵しがたい神聖な色彩として扱っていたため、真鯛の中でも最も色鮮やかな赤色をしている桜鯛を祝賀や神事などといったおめでたい席に利用してきました。
では、お祝いごとでよく用いられる桜鯛と一般的に有名な真鯛の違いは色彩の違い以外にどういったものが挙げられるのでしょうか?
真鯛とは?
日本では200種を超えるタイという名が付いた魚がいます。その中でも生態上でタイと呼ばれるものはマダイ・チダイ・キダイの3種のみです。
しかし、日本では価格も高くとても大切に扱われている真鯛ですが、海外では価格も安く下等な魚として扱われています。特に美食の国と言われるフランスでは、貪欲な下魚と呼ばれ、中国では死肉を喰らう不吉な魚として忌み嫌われています。アメリカでは、真鯛などを作物の肥料にしてしまうという大胆さです。
そんな真鯛ですが、12月初頭から3月の終わりにかけて旬を迎えます。特に産卵期である春は桜のように鮮やかな美しい色彩を持っていると言われており、別名「桜鯛」や「花見鯛」とも言われ、春の訪れと共にやってきます。
ですが、真鯛がもっとも旨いと言われる季節は寒さの厳しい1月から2月だと言われています。
桜鯛とは?
真鯛の産卵期は3月から6月にかけて行われ、産卵の際に浅瀬へやってきます。ちょうど春の訪れと共に開花する桜の花びらを模した可愛らしい斑点模様があしらわれた美しい真鯛のことを桜鯛と呼びます。また、この斑点模様はオスの真鯛にのみ現れる特徴です。
この時期に漁獲される真鯛は脂が乗っていて美味しいと評判です。あまり市場に出回ることがないため、高値で取り引きされています。
産卵を終えた真鯛は小麦色をしており「麦わら鯛」や「落ち鯛」と呼ばれ、風味もがくだんと落ちます。
今が旬の真鯛・桜鯛の美味しい食べ方♪
鯛めし@御飯 / is_kyoto_jp
今が旬の真鯛や桜鯛を食べるには、やはり「塩焼き」や「鯛めし」が一番お勧めです。
特に「塩焼き」は、本来の真鯛や桜鯛の旨味を味わうことが出来る逸品ですので、是非食べて頂きたい料理です。
鯛の塩焼きの作り方
では、美味しい真鯛・桜鯛の塩焼きの作り方をご紹介します。
材料は、鯛と食塩の2つのみです。
①初めに鱗やエラ、内臓を綺麗に取り除き、しっかり洗浄して水気を切っておきます。
②塩を表側と裏側に軽くふりかけ、塗り込みます。腹の中も塩を振っておきましょう。
③表面が香ばしく焼き色が付くまでじっくり焼いて完成です!
表面はパリッとしていて中はしっとりとした甘みのある味わいは、今しか味わうことが出来ない絶品料理です。
桜鯛を使った鯛めしの作り方
材料は、新鮮な桜鯛または真鯛、塩、酒、お米です。
お米を炊く際に使用する調味料は以下の通りです。
醤油大さじ1杯
めんつゆ(3倍希釈)大さじ1杯
酒大さじ1杯
みりん大さじ1杯
だし昆布10cm
①お米2合を研ぎ、ざるに揚げておきます。
②鱗と内臓を取り除いた鯛の表面に切り込みを入れ、両面に軽く塩を振ります。
③こんがりと鯛の表面を焼きます。
④酒大さじ2杯を入れ、蓋をして蒸し焼きにしていきます。
⑤焼き上がったら火を止め、ざるに揚げておいたお米を炊飯器に投入します。その際、調味料も忘れずに加えます。
⑥水を2合の目盛りまで注ぎ、だし昆布を入れます。
⑦先ほど焼いた鯛を投入し、炊飯スイッチを押します。
⑧炊き上がったら、不要な皮と大きな骨を取り除き、完成です。味が薄いと感じたらお醤油を足して調節してください。
いかがでしたか?桜鯛として売られているものは産卵期を迎えた真鯛の別名だということが判明しました。
他にも初夏の真鯛は「ウオジマノタイ」と呼び、秋は「紅葉鯛」と呼ばれています。
是非、この機会に桜鯛を購入してお花見や卒入学のお祝いとして食卓に出してみませんか。