しかし、野菜ジュースを飲むだけで本当に野菜不足による栄養を補うことができるのかと疑問に思ったことはありませんか。そこで、今回は野菜ジュースを飲むだけで栄養を補うことは可能かどうかをご説明します。
野菜ジュースで栄養は補えるのか!?
3色野菜ジュース / june29
コンビニやドラッグストア、自動販売機などで気軽に購入することができる野菜ジュースは、フルーツや加糖によって、野菜嫌いな子どもや青汁が苦手な方でもおいしく飲むことができるため、幅広い世代の方々から愛されています。そんな野菜ジュースですが、実は製造工程でほとんど栄養素が失われており、野菜不足を解消することができないことをご存知ですか。
なぜ、野菜ジュースで野菜不足を補うことができないかと言いますと、野菜ジュースの製造工程に原因があります。
多くの野菜ジュースには、パッケージに「濃縮還元」という文字が表示されていると思いますが、濃縮還元とは、安価に購入した野菜を加熱して水分を飛ばし、ペースト状にしたものに水を加えて戻すという製法であり、別名「熱濃縮」と呼ばれています。
野菜には、ビタミンCなどの熱に弱い水溶性の栄養成分も含まれており、濃縮還元製法を用いて野菜ジュースを製造してしまうと、これらの栄養成分が一気に失われてしまい、野菜が本来持っている栄養成分を全て摂取することができないのです。
「でも、パッケージには“ビタミンC”って書いてあるけど?」と思われる方も多いと思います。
これは、かろうじて野菜の中に含まれているビタミンCと野菜の酸化を防ぐために後から添加された酸化防止剤のことであり、野菜ジュースだけではなく、フルーツジュースなどにも含有されています。
また、野菜ジュースには食物繊維が含まれていないことも忘れてはいけません。食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類あるのですが、野菜ジュースには不溶性食物繊維がほとんど含まれておりません。その理由は、野菜ジュースに食物繊維を含ませたまま製造してしまうと、舌触りも悪く、飲みにくくなってしまうため、製造前に取り除かれてしまうのです。
そのため、野菜ジュースにはビタミン・ミネラル・食物繊維・酵素などがほとんど含まれておらず、フルーツや加糖によって飲みやすくされていますので、野菜不足を補うこともできませんし、飲み過ぎれば生活習慣病や老化の原因となります。
なので、野菜ジュースで野菜不足を補おうとするのは避けた方が良いでしょう。
野菜ジュースで得られる栄養はあるの?
/ yoppy
濃縮還元製法によって、熱に弱いビタミンやミネラル、酵素などが失われ、飲みやすさを追求したことで食物繊維も含まれていない野菜ジュースですが、まったく栄養素が含まれていないというわけではありません。
例えば、トマトなどに含まれる優れた抗酸化力を持つリコピンやニンジンなどに含まれるβカロテンといった栄養成分は、加工されることで体内での吸収率が高まり、効率良く栄養素を摂取することができるようになります。また、カルシウムやカリウムなども加熱されることで含有量が減少するということはありませんので、熱に強い栄養素を摂取したいときに野菜ジュースを飲むのがオススメです。
まとめ
今回は野菜ジュースを飲むだけで栄養を補うことは可能かどうかについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。野菜ジュースを購入する際のポイントですが、まず原材料欄を確認し、1番初めに記載されている野菜を確認しましょう。そして、野菜とフルーツの割合と砂糖や食塩が使用されているかどうかをチェックします。
野菜ジュースは、原材料欄に1番はじめに記載されているものが最も多く使用されていることが多いと言われています。また、野菜よりもフルーツの方がたくさん入っている場合は避け、肥満や高血圧の原因となる砂糖や食塩が使用されていないものを購入するようにしましょう。
手軽に野菜が摂取できる野菜ジュースですが、1歩間違えると生活習慣病や老化の原因となりますので、購入される際は、ご注意ください。