今では国民病の1つと言われる「花粉症」は、スギやヒノキなどの植物が特定の季節になると飛散する花粉によって引き起こされるアレルギー症状です。
日本で初めて花粉症患者が発見されたのが、荒木英斉氏によって1961年に報告されていますがこのときはスギ花粉ではなく、ブタクサだったそうです。
スギ花粉によるアレルギー患者が初めて発見されたのは、1964年に栃木県の日光地域と言われています。これ以降、徐々にスギ花粉による花粉症患者が日本各地で発見されるようになり、現在では日本人4人に1人が花粉症を患っており、予備軍を合わせるとさらに増えると言います。スギ花粉による花粉症患者は年々増加しているのには理由は、農林水産省による大規模なスギ植林計画だと言われています。
そんな花粉症の症状を少しでも和らげるため、マスクやメガネなどの花粉対策グッズを身に着けている方も多いのですが、これらのグッズで防ぐには限界があります。
そこで、今回は花粉症の症状を内側から改善することができると期待されている食べ物と花粉症を悪化させる可能性を持つ食べ物をご紹介したいと思います。
花粉症改善に期待できる食べ物とは?
花粉症とは、アレルゲンとなる花粉が体内に侵入したことで、IgE抗体と呼ばれる物質が生成されます。
このIgE抗体が肥満細胞にくっつき、再度花粉が体内に侵入したさいに、ヒスタミンなどの化学物質が分泌され、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ・充血などのアレルギー諸症状が現れるのです。
現在花粉症などのアレルギー諸症状を緩和させるためには、腸内環境を整えることが重要だということが明らかとなり、ヨーグルトや納豆などの発酵食品が注目を集めています。
もちろん、発酵食品に限らず、花粉症の諸症状を緩和させる効果を持つ食べ物はたくさんありますので、今回は花粉症患者の方々から人気のある花粉症対策に効果的な食べ物をご紹介します。
ヨーグルト
Yogurt / jetalone
ヨーグルトは花粉症の症状を緩和させる効果が非常に高いと言われている食品です。
理研バイオリソースセンターにて、過去に花粉症患者に1年間1日200ml以上のヨーグルトを摂取してもらい、翌年の花粉症シーズンにどのような症状が現れるのかを実験したところ、なんと30%の花粉症患者の症状が改善されたという結果が発表されました。
ヨーグルトには腸内環境を整える働きがあるため、免疫力を向上し、花粉症だけではなく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状も緩和することができることが明らかにされました。
ただし、ヨーグルトの種類によっては症状が改善されない場合があるため、ヨーグルトを購入される場合は注意が必要です。
納豆や漬物などの発酵食品
fermented soybeans / 納豆 / [puamelia]
納豆や漬物は、ヨーグルトと同じく発酵食品です。発酵食品には腸内環境を整える効果があるため、花粉症の改善に効果が期待されています。
特に納豆に含有されているタンパク質分解酵素「納豆キナーゼ」には、腸内環境を整える働きだけではなく、かゆみ成分を抑制さえる抗酸化作用も含まれているため、発酵食品の中で最も花粉症対策にオススメの食品として知られています。
レンコン
せっせとレンコン煮ています / yoruwo
縁起物食材として知られるレンコンは、ヨーグルトと共に摂取することで花粉症の症状を緩和させる効果があることが明らかにされています。
ヨーグルトとレンコンを3ヶ月間摂取してもらうという実験を埼玉医科大学と日本アレルギー応用研究所にて行ったところ、およそ81%の花粉症患者の症状が緩和したことが認められたのです。
これは、レンコンに含有されている成分がアレルギー症状を抑え、免疫機能に働きかけたことによって得られる効果なのだそうです。
レンコンによるアレルギー諸症状の緩和を目的とする場合、すりおろして使用すると体内に吸収されやすくなるので、レンコンを食べる際はすりおろして摂取するようにしましょう。
トマト
ジャンボトマト / pika1935
トマトに含まれるリコピンには花粉症の症状を緩和する効果があることがカゴメ株式会社と国際医療福祉大学の共同研究で明らかにされました。
ですが、トマトで花粉症の症状を緩和させるには永続的に摂取しなければならず、さらに生の状態ではなく、ジュースや缶詰といった加工食品を摂取する必要があるそうです。
トマトジュースで花粉症の症状を緩和させるには1日トマトジュースを190g摂り続ける必要がありますので、トマトが苦手な方には少々辛いかもしれませんね。
他にも、赤しそ・えごま油・青魚・フキ・キノコ類なども花粉症対策にオススメの食べ物として人気があります。
花粉症を悪化させる食べ物とは?
花粉症を改善さえる効果が期待できる食べ物もあれば、悪化させる食べ物もあります。
トマトなどの化学物質を含む食べ物
100_5252 / misawakatsutoshi
先程、トマトには花粉症を改善させる効果があるとご紹介しましたが、生のトマトやほうれん草、タケノコなどの野菜にはアレルギーの原因となるヒスタミンを大量に含んでいるため、花粉症を悪化させてしまう危険性があります。
また、美容に効果のあるバナナやキウイフルーツなどもセロトニンをたっぷり含んでいる食べ物ですので、生のまま摂取するのは避けましょう。
加熱してから摂取する分には、全く問題ありませんので、花粉症シーズンは生の野菜やフルーツの摂取は気を付けましょう。
インスタント食品やアルコール類
インスタント食品達 / Masahiro Ihara
インスタント食品やアルコール類、ハムにソーセージ、ファストフードなどは過敏性を高める食品として花粉症シーズンには摂取を控えた方が良い食べ物と言われています。
これらの食べ物は直接花粉症の症状を引き起こすことはありませんが、ハムやソーセージに含有されている亜硝酸塩やアルコールの分解時に生成されるアセトアルデヒドなどは花粉症の症状を悪化させる要因となるため、入社祝いやお花見など楽しいイベント盛り沢山な時期ではありますが、アルコールなどの摂取は控えるようにしましょう。
トランス脂肪酸
もも肉こってり系。#fuckyeahchickennanban / yoppy
コッテリした料理は子どもも大人も大好きなメニューの1つです。しかし、コッテリした料理にはオメガ6脂肪酸が含まれており、アレルギー症状を悪化させる可能性があります。
特に揚げ物・ファーストフード・インスタント食品の摂取は控えるようにしましょう。
また、どうしてもコッテリとした料理が食べたい場合はオリーブオイルやえごま油を使用して料理を作るようにしましょう。
他にも高タンパク食品・砂糖がたっぷり使用された食べ物・刺激物・小麦粉食品などは花粉症を悪化させるため、控えるようにしましょう。
まとめ
花粉症の症状を緩和させる効果が期待されている食べ物と悪化させる可能性を持つ食べ物をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
花粉症対策には食べ物もオススメですが、手軽に摂取することができる甜茶・べにふうき緑茶・ルイボスティーなどが女性たちから人気が高く、今では男性の間でもじわじわと注目を集めています。
花粉症対策を食べ物で行う場合、花粉が飛散する数か月前から摂取しなければ効果が得られませんので、3月になる前から食べ始めるようにしましょう。
ちなみに、花粉シーズンの洗濯方法の記事も書いていますので、どうぞ参考にしてください!