ですが、なぜお祝いの席でちらし寿司を食べるのかという理由は、特に明確なものはなく、おそらく、かつてお祝いの席で食べられていた「なれずし」という海老と菜の花を使った料理が、いつしか色とりどりの具材をたっぷり使った「ちらし寿司」へと変化したのではないかと言われています。
ちらし寿司は岡山県が発祥だと言われており、1664年に現在の岡山県で発生した大洪水の際、当時の藩主 池田光政公によって「一汁一采令(汁物1品と副食1品以外を禁ずる)」という倹約令が出され、庶民の食生活が質素になってしまいました。そんな厳しい食生活のなか、なんとしても美味しいものを食べたいという想いから誕生したそうです。
ちらし寿司は災害の復興を行っている際に誕生した料理だったのですね。ちなみにちらし寿司は藩令によって禁止されていたそうなのですが、池田氏はそれを暗黙の了解として認めていたそうです。とても寛大なお人だったのですね。
岡山県発祥のちらし寿司ですが、実はちらし寿司の具材には特にルールが無く、地域によって具材が全く異なります。ですが、どの地方でも使われているのが縁起の良い食材です。
例えば、ちらし寿司のルーツとなった「なれずし」には海老が使用されており、腰が曲がるまで丈夫に長生きできるようにという願いが込められており、いくつも穴が開いているレンコンには、先見ができるようにという願いが込められているのです。
では、ちらし寿司で人気の縁起の良い具材とは、いったいどのような食材なのでしょうか?
そして、料理が苦手な方でも簡単に作る方法はあるのでしょうか?
ちらし寿司で人気の縁起が良い具材とは?
ちらし寿司 / iyoupapa
ちらし寿司がお祝いの席で食べられるようになったのは、縁起の良い具材がたっぷり使われているからだと言われています。
そこで、ちらし寿司に入れると喜ばれる縁起の良い具材をランキングでご紹介したいと思います!
第1位 海老
おせち料理にも使われる「海老」は長寿祈願と魔除けの2つの意味を持っており、ちらし寿司でも人気の高い具材です。湾曲した海老のかたちから、腰が曲がるまで長生きできるようにという願いが込められています。
また、海老の鮮やかな赤色には魔除けの効果があると信じられているため、縁起が良い食材と言われています。
第2位 菜の花
海老×菜の花の組み合わせは「なれずし」の名残ですね。特に縁起が良い食材というわけではありませんが、春を視覚と味覚の双方で感じさせてくれるので、桃の節句でちらし寿司を作る際は、入れておくとたいへん喜ばれます。
第3位 レンコン
こちらもおせち料理の定番食材の1つですね!先見が上手くなるという願いが込められているレンコンは、独特な食感を持っているため、ちらし寿司のアクセントとして活用される方も多いようです。
他にも「マメに働く」という意味を持つ豆類や願いが叶うと言われる貝類などをちらし寿司の具材として活用される方もいらっしゃいます。
縁起の良い食材はおせち料理などを参考にしたり、お住いの地域の方からどんなものを使っているのかを聞くとオリジナリティ溢れるちらし寿司を作ることができますので、作る際は、事前にリサーチしておくと良いでしょう。
女の子が喜ぶキュートなハート型のちらし寿司を簡単に作る方法
ちらし寿司 / klipsch_soundman
1からちらし寿司を作るとなると、おおよそ1時間かかってしまいますが、最近ではちらし寿司の素という便利なものも販売されているので、誰でも簡単にちらし寿司を作ることができます!
そこで、今回はもうすぐひな祭りということで、女の子が喜ぶハート型の可愛らしいちらし寿司の作り方をご紹介します。
材料
・ごはん:500g
・ちらし寿司の素:1袋
・錦糸玉子:適度な量
・スモークサーモン:適度な量
・きぬさや:2本
・ニンジン:1/4本
・ソーセージ:1/2本
・キュウリ:1本
・桜でんぶ:好きなだけ作り方
①きぬさやはキレイに筋を取り除き、茹でて斜めにカットします。
②人参は薄く輪切りにしてお好みの型で型抜きを行い、茹でます。
③ソーセージは薄切りにし、人参同様型抜きをします。
④サーモンは細くなっている方からクルクルと巻き、花飾りにします。これを2つ用意しましょう。余ったサーモンは食べやすいサイズにカットしておき、具材として使用します。
⑤キュウリを千切りにします。
⑥ボウルに温かいごはんを入れ、ちらし寿司の素を加えて手早く混ぜます。
⑦ハートのケーキ型にラップを敷き、錦糸玉子⇒半量の酢飯⇒キュウリ+カットサーモン+桜でんぶ⇒半量の酢飯の順に重ねてゆきます。
⑧型に皿を被せて、ひっくり返し、型をゆっくり取り外して、かたちが崩れないようにラップを取ります。
⑨最後にサーモンで作った花ときぬさやを飾り、型抜きした人参やソーセージでデコレーションしたら完成です!
ちらし寿司の具材は縁起物を使うのが一般的ですが、子どもたちが好きな具材を使ってオリジナルのちらし寿司を作るのもオススメです!
是非、桃の節句や端午の節句などイベントの際はオシャレで華やかなちらし寿司を作って、楽しいひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか♪