最近ではスーパーやデパートなどの青果売り場に食用の菜の花が並んでいますが、菜の花には紅菜苔(こうさいたい)や菜心(さいしん)、京野菜花菜(かんざきなたね)など様々な品種があり、菜の花はこうした様々な品種のアブラナの花芽の総称として使用されているので、混乱しちゃう方も多いかもしれませんね。
菜の花は2月から3月にかけて旬を迎える食材なのですが、旬の食材を使って料理を提供する料亭などでは京野菜「寒咲花菜」のように12月頃から出荷が始まる品種もあります。
菜の花は独特の苦みがあるため、苦手な方も大勢いらっしゃいます。ですが、食用菜の花には実は健康と美容維持に効果的な栄養素がぎっしり詰まっていることが判明したのです!
そこで、今回は菜の花に隠された驚きの栄養効果&効能をご紹介したいと思います。
菜の花の栄養とは?
菜の花 / sekido
独特の苦みを持つ菜の花は、ヨーロッパ原産の植物で、花蕾を食用とする「和種なばな」・茎葉を食用とする「洋種なばな」の2つに分けられます。
なかでも花が咲く蕾の状態の菜の花は、たいへんおいしいと評判で、蕾の部分に菜の花の栄養がギュッと詰まっているため、健康と美容維持にもってこいの食材だと言われています。
菜の花は100gあたりおよそ33kcalととてもヘルシーで、タンパク質が4.4g/脂質0.2g/炭水化物5.8g/食物繊維4.2gとなっています。
また、ビタミンやミネラルもたっぷり含まれており、
・βカロテン:2200μg
・ビタミンC:130gmg
・ビオチン:12.2μg
・葉酸:340μg
・ビタミンK:250μg
・カリウム:390mg
・カルシウム:160mg
・リン:86mg
菜の花の効果・効能とは?
菜の花からし和え。 / adelie33_Asako
栄養満点の菜の花ですが、気になるのが健康や美容に関する効果や効能です。
菜の花には、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンBなどのビタミン類やカルシウム・カリウムなどのミネラル類がたっぷり含まれており、さらに食物繊維や辛味成分のイソチオシアネート、苦み成分のケンフェロールも含まれています。
聞きなれない苦み成分のケンフェロールとは、ポリフェノールの1種で、主な働きは体内のエネルギー代謝を促し、脂肪燃焼をサポートすることで、ダイエット効果が期待されている今最も注目されている成分の1つです。
このケンフェロールという成分には、体内に余分なものを蓄積させないように働きかけるだけではなく、溜まってしまったものを体外へ排出したり、燃焼させる作用があることも明らかにされています。
辛味成分のイソチオシアネートには、貧血予防や血行不良を改善させる効能があり、さらにはデトックス効果も期待されています。
実は菜の花にはイソチオシアネートの前駆体グルコシノレートの含有量がアブラナ科のなかでもトップクラスであり、特に蕾部分に豊富に含まれているため、菜の花を食べる際は蕾を取らずに、丸ごと摂取することをオススメします。
また、葉酸も豊富に含まれているので、妊娠中や授乳中の女性は菜の花を食べると良いと言われています。
血流の流れがスムーズになると、冷え性や肩こり、頭痛などの症状が緩和されますし、菜の花の苦み成分であるケンフェロールとの相乗効果によって免疫力アップや疲労回復効果も得られます。
他にも水溶性のビタミンCには美肌効果があり、食物繊維にはお通じの改善などといった効果や効能が期待出来ますので、女性には嬉しい食材と言えます。
まとめ
菜の花は、漢方の世界でもたいへん有名で、中国の薬物書「本草綱目」には「熱を伴い炎症及び腫物を治癒し、鬱血・瘀血を除き、血液の滞りをなくす」と記述されています。
今までは季節限定の食材として食べられてきた菜の花ですが、栽培技術などにより、春だけでなく他の季節でも食べられるようになりました。
是非、この機会に菜の花を食べて、乱れた食生活を改善し、健康な身体を手に入れてみませんか?