その中でも食事作りは、効率的な家事のポイントと言えるのではないでしょうか。とはいえ、忙しくなったからと言って急に食卓に出るおかずの種類を減らしたら、家族は不平不満を漏らすでしょう。小鉢ひとつ分のおかずでも、あれば食卓に彩りを添えてくれますからね。
そんな時、奥様方の心強い味方になってくれるおかずがそう「切り干し大根」です。小鉢に盛り付ければ、たちまちおかず一品完成という何ともありがたい存在。そして一番助かるのは酢の物なので日持ちするという点です。
一度大量に作っておけば長期にわたり助けて逸品ですが、どうして酢の物が日持ちするのでしょうか。そして日持ちさせるもらえるためにはどのように保存していくことがいいのか、この2点に関して考えていきたいと思います。
酢の物は日持ちする
キュウリとワカメの酢の物 / norio_nomura
切り干し大根だけなく他の食材においても参考になると思うのですが、まず酢の物が日持ちする要因について説明していきましょう。これは言うまでもありませんが、食材というのは何もせずに放っておいたら腐ってしまいますよね。
筆者も一つの食材を長い期間楽しもうと冷蔵庫に保管し、少しずつ食べようとすることがあるのですが、冷蔵庫に長い間放置して食材が腐ってしまうこともしばしばです。これは、食材の中に微生物が発生し食材を腐らせていくからです。
実は、微生物は一定のpH(ペーハー=水素イオン指数:酸性とアルカリ性の程度を示す言葉)濃度、具体的にはpH4.0の環境で生育され繁殖されていくものなのですが、お酢の酸、つまり酢酸は食材のpH濃度を4.0以下に抑えることができます。そのため、食材を腐らせる微生物の発生を抑え、食材の腐敗を遅らせることができるのです。
保管方法
切り干し大根の煮物 / dreamcat115
そして、酢酸は微生物の発生、繁殖を抑えるだけでなく、抗菌作用もあるので食材の保存性という観点からも非常に頼りになる存在なのです。しかしながら、ただ単に放置しているだけではさすがの切り干し大根だって長持ちはしませんので、保管方法はしっかり考える必要があります。
ちなみに「水で戻していない切り干し大根」は冷蔵庫に入れておくだけで半年から一年は保存できるので、ここでは「水で戻した切り干し大根」の保管・保存方法について話していきたいと思います。実は、戻してしまった切り干し大根はあまり日持ちしません。
冷蔵庫に入れて保存したとしても一日ほどしか持たないのです。冷蔵庫でも一日しか保管できないか・・・、と悲観的になるのはまだ早い。水に戻して持たないのであれば、一気に煮物にしてから保存しましょう。加熱済みになるということもあり、煮物までしてしまった方が保存性が高まるのです。
煮物にしたあとは、タッパーなどの容器に詰めるか、サランラップで包んで保管します。冷蔵庫であれば4~5日、冷凍庫であれば保存期間は一気に2週間~1か月まで延びます。
なお、この時のポイントとしては、保存する前に可能な限り煮物の水分を飛ばしておくことです。水分量が少ない方が貯蔵性が高まるので、容器に入れる前にしっかりと水分を切っておきましょう。
まとめ
ここまで酢の物が日持ちする理由、切り干し大根の上手な保管方法に関して説明してきましたがいかがでしたでしょうか。日本食における酢の物の位置づけの重要性を改めて認識させられましたし、保存に関しても手の加え方、保存方法などいろいろと工夫することで一気に長持ちさせることができるのだな、と非常に勉強になりました。
酢の物のパワーと上手な保存方法を駆使して、忙しくても食卓に彩りを添えられるようになりたいものですね。ぜひ参考にしてもらえるとうれしいです。