「え!サーモンも鮭も同じじゃないの!?」と思われた方も多いかと思いますが、実は名前も栄養面も食べ方などほぼ全て異なる魚なのです。
では、サーモンと鮭の違いについてご紹介したいと思います。
サーモンと鮭の違いとは?
サーモン / yosshi
鮭には紅鮭や鱒、トラウトなど様々な種類がおり、生息地域によって特徴も異なります。
現在鮭は日本をはじめ、ロシア・ノルウェー・アラスカ・チリといった様々な地域で漁獲されており、様々な鮭が日本に輸入されています。日本では、主に白鮭・紅鮭・銀鮭・キングサーモン・アトランティックサーモンが食べられており、食卓を彩っています。
では、それぞれの鮭の特徴をご紹介します。
白鮭
鮭 #dinner / is_kyoto_jp
日本で「鮭」と呼ばれる魚は白鮭のことを表します。
白鮭は、別名「秋鮭」と呼ばれており、9月から翌年の2月に旬を迎え、日本で漁獲されている鮭の1/3が白鮭です。白鮭は東京では「しゃけ」と呼ばれており、北海道では「アキアジ」や「トキザケ」などと呼ばれ親しまれています。白鮭は秋に旬を迎えるのですが、春から夏にかけて日本へやってくる鮭を「トキシラズ」と呼び、高値で取引されています。
白鮭の主な生息地は、北海道や本州北部となっており、北海道や東北地方での水揚げ量が最も多いと言われています。また、白鮭は日本だけではなく、ロシア・アラスカ・カナダなどでも漁獲されており、身は淡いオレンジ色をしており、脂肪分が魚場や時期によって異なるのが特徴です。
日本人に最も馴染みのある鮭の1つとして古くから親しまれています。
紅鮭
紅鮭 / amadeusrecord
紅鮭とは、その名の通り身が濃い紅色をしており、肉厚で食べごたえはあるのですが、産卵直前のため脂は少なめです。
日本では「鮭」というと「白鮭」が定番なのですが、最近ではスーパーやデパートの生魚コーナーへ行くと「紅鮭」という名称でパック詰めされており、白鮭よりもメジャーになってきました。
今では日本の食卓に欠かせない紅鮭ですが、実は生息地が北太平洋・オホーツク海・ベーリング海のため、日本の川で生まれ育った天然の紅鮭は存在しません。ですので、紅鮭はロシアやアラスカからの輸入品となっています。現在日本では、北海道の阿寒湖に生息している紅鮭の仲間である「ヒメマス」を青森県と秋田県の県境にある十和田湖や栃木県の中禅寺湖などに移植し、養殖を行っています。
紅鮭といえば、「天然沖獲り紅鮭」と呼ばれる身の色が真紅でアスタキサンチンがたっぷり含有されており、身がギュッと引き締まっており、肉厚で脂が乗っているものは高値で取引されています。ちなみに、紅鮭は燻製や塩鮭としてよく食べられています。
銀鮭
遅めの昼食王道銀鮭 / hirotomo
銀鮭といえば、とてもお手頃価格で脂も乗っているので主婦の味方として人気を集めている鮭の種類です。コンビニのおにぎりの具材としても重宝されています。
銀鮭は北部太平洋に生息しているため、残念ながら日本の川へやってくる個体はおりません。また、現在200海里規制などの理由から漁獲量が激減しており、天然の銀鮭は日本でほとんど水揚げされていません。
水揚げされていないにも関わらず、なぜ安価に提供出来ているのか気になりますよね。その理由は、1970年頃に銀鮭を海で養殖の実用化が成功したためです。実は銀鮭は他の鮭に比べ、成長速度が速く、放流するよりも養殖した方が、効率が良いことが判明したのです。
銀鮭の養殖は日本各地で行われていますが、日本一の養殖銀鮭の漁獲高を誇っているのが宮城県です。また、南米チリでも銀鮭の養殖が行われており、チリ産の銀鮭も日本に輸入されているので、安定して供給することができています。
最近では銀鮭を「塩鮭」として店頭に並ばせているスーパーやデパートもあり、身は柔らかくてオレンジ色をしており、脂肪分が高いのが特徴です。
キングサーモン
でもやっぱキングサーモンめっさうめぇぇぇぇぇ / hageatama
日本では「マスノスケ」と呼ばれ、親しまれている巨大な鮭キングサーモンは、アラスカ近辺をはじめ、北太平洋・オホーツク海・日本海北部などに生息している鮭の仲間です。
オホーツク海や日本海北部に生息しているのですが、日本の川へやってくるキングサーモンはほぼおりません。
キングサーモンは北米の河川で生まれるのですが、日本でも稀に回遊中のものが三陸沖の定置網にかかったりする程度です。そのため、キングサーモンのほとんどがカナダからの輸入となっています。キングサーモンの身は濃淡が激しく、濃い紅色をした個体や淡いオレンジ色をした個体など様々です。また、脂肪分がとても高く、肉厚なので、ステーキなどに活用されることが多い傾向にあります。
アトランティック・サーモン
サーモンのカルパッチョ / Dakiny
ノウルェー近海で昔から漁獲されているアトランティック・サーモンは、別名「大西洋鮭」と呼ばれています。
日本では1980年頃からノルウェーから輸入されるようになったアトランティック・サーモンは、旨味が強く、肉厚でとても品質が良いことから、フレンチやイタリアン料理の食材として大活躍しています。
現在流通しているアトランティック・サーモンの大半が養殖されたものであり、アニサキスなどの寄生虫の感染を心配する必要がないため、安心して生食できるようになっています。そのため、お鮨屋さんでもネタとしてお客さんに提供されており、クリームシチューやムニエルなど生だけでなく、煮たり焼いたり、蒸したりと様々な料理に活用できる万能鮭でもあります。
サーモンと鮭どちらが栄養あるの?
鮭尽くし / Dakiny
サーモンと鮭ですが、いったいどちらが健康面において良い効果を発揮するのか気になりますよね。
現在日本国内で食べられている鮭で最も高カロリーなのが「アトランティック・サーモン」であり、最も低カロリーのものは「白鮭」となっています。
ですので、ダイエット中の方はサーモンよりも鮭を召し上がることをオススメします。
しかし、サーモンにはオメガ3脂肪酸がたっぷり含有されているため、生活習慣病や認知症の予防、細胞の炎症を抑制するといった効果や効能を得ることができることが判明し、健康志向の方々から注目を集めています。
また、週に2回サーモンを摂取された方は、心臓病や脳卒中で死亡する確率がおよそ27%も低くなるという研究結果も発表されています。
サーモンと呼ばれる鮭は、キングサーモン・ニジマス・アトランティック・サーモンのことですので、お間違えのないようにご注意ください。
まとめ
今回はサーモンと鮭の違いについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
サーモンとは、生食することができ、主に洋食の素材として活用されており、鮭は生食できず、主に和食の素材として活用されています。是非、今後の献立の参考にして頂けますと幸いです。