特に北海道の道東で9月頃に漁獲される秋刀魚は、海中のプランクトンをたっぷり食べてプリップリな産卵間近の秋刀魚たちが東北海域まで南下してくるため、驚くほど身が厚くて脂のりが良いので、「トロさんま」と呼ばれています。
獲れたて新鮮な秋刀魚の場合、お刺身にして食べることもできるのですが、漁師さん曰く「秋刀魚は塩焼きが1番うまい!」ということですので、今回は秋の味覚を心ゆくまで堪能できる秋刀魚の塩焼きを作る際の下処理と準備についてご説明したいと思います。
秋刀魚の塩焼きの下処理と準備方法!
秋刀魚 / hirotomo
秋刀魚が食べられるようになったのは、つい最近のことであり、それまではあまりメジャーな食べ物ではありませんでした。
しかし、秋刀魚には皮膚や粘膜の強化や眼精疲労、抗ガン作用を持つビタミンAやレチノール、コレステロールを減少させて血液をサラサラにする不飽和脂肪酸 (EPA&DHA)といった栄養素がたっぷり含まれており、生活習慣病や老化を予防する効果を得ることができることが近年の研究によって明らかにされました。
そんな秋刀魚を美味しく調理するためには、下処理と準備をしっかり行う必要があります。
では、秋刀魚の塩焼きを作る際の下処理と準備の方法をご説明します。
下処理&準備方法 その1
①秋刀魚の表面を手早く洗い、ウロコを洗い流します。
②顔のすぐ下にある胸ビレの下部分に包丁を斜めに入れ、半分ほど切ります。
③裏返し、同様に包丁を入れ、頭の上から骨まで切込みを入れます。
※このとき腸ワタを切らないようにしましょう。
④骨が切れていない場合、骨をちぎるように力を込め、後は力を抜いた状態で頭をそーっと引っ張ります。
下準備&準備 その2
①秋刀魚のお尻のやや上に切込みを入れます。
②秋刀魚の頭部に切込みを入れ、背骨を切断します。
③あとは力を抜いて頭をゆっくり引っ張ると内臓がスルスルっと取れます。
秋刀魚の内臓って不要なものだっけ?
秋刀魚 / typester
秋刀魚の醍醐味は、あのほろ苦い腸ワタであるため、せっかくの内臓を取り除いてしまうのは愚の骨頂だと言われてしまいます。
しかし、子どもたちにとっては、あの苦い秋刀魚の内臓は我慢なりません。
秋刀魚の内臓には胃袋がありません。
そのため、消化から排泄までの時間が極端に短く、他の魚と比べてえぐみが少ないため、内臓も食べることができるのです。また、内臓にはアミノ酸・ビタミンB2・ビタミンA・カルシウムといった栄養素が豊富に含まれています。
特に内臓に含まれるレチノールは、真皮層のコラーゲンの生成を促す働きがあるため、肌の弾力を保ち、桜花の原因となるシミやシワを防ぐ効果が得られるそうです。
しかし、秋刀魚にはラジノリンクス・サンマヒジキムシ・アニサキスといった寄生虫が潜んでいる場合があり、特に内臓でスクスクと育つラジノリンクスは、特に人体には影響がないものの、見ていて気持ちの良いものではないため、内臓を取り除いてしまうか、丸ごと焼いて、食べている際に取り除いてしまうのが良いでしょう。
まとめ
今回は秋の味覚・秋刀魚の塩焼きを作る際の下処理や準備に付いてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
秋刀魚の内臓は、大人にとってはご馳走でも、子どもたちからすると単なる不味いものであるため、魚嫌いを助長させてしまう恐れがあります。
もうすぐ秋刀魚の美味しい季節がやってきます。これから家族で秋刀魚の塩焼きを食べる機会があるという方は、子どもたちが食べやすいように秋刀魚の内臓を取り除き、徐々に秋刀魚の魅力を伝えてみてはいかがでしょうか。