「夏の定番料理といえば?」と質問すると、カレーライスや冷やし中華、冷しゃぶなど精が付く料理やサッパリと食べられる料理の名前が挙がるかと思います。
しかし、その中で最も多くのご家庭で食べられている夏の定番料理は「ゴーヤチャンプルー」です。
夏が近づくと夏バテ防止に効果のある料理として数多くのメディアに取り上げられる沖縄県伝統料理のゴーヤチャンプルーは、日本の夏の定番料理となっています。
では、ゴーヤチャンプルーが夏にオススメされる理由とはいったい何故でしょうか?
ゴーヤチャンプルーとはどんな料理なの?
Home made Goya Chanpuru / jetalone
ゴーヤチャンプルーは主に沖縄県で食べられており、沖縄そばや泡盛、サーターアンダギーなどと並ぶ沖縄県を代表する有名な郷土料理の1つです。
ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤや豆腐、好みの野菜、それに豚肉などをまとめて炒めた料理であり、沖縄県では「ごちゃ混ぜ」という言葉を「チャンプルー」ということからゴーヤチャンプルーと命名されたそうです。
チャンプルーという語源はインドネシア語やマレー語の「Campur」から来ているという説もあり、どちらも「混ぜる」という意味を持っています。
インドネシアの家庭料理にもナシチャンプルというご飯とおかずを混ぜ合わせた料理があります。
また、沖縄県ではゴーヤチャンプルー以外にもキャベツを用いたタマナーチャンプルやパパイヤを使用したパパヤーチャンプルなど数多くのチャンプルー料理が存在します。
これらはどの食材をメインとして使用しているのかで名称が変わるようです。
ゴーヤチャンプルーに使用される食材の紹介♪
ゴーヤチャンプルーに使用される食材はメインのゴーヤをはじめ、豚肉・木綿豆腐・卵ではないでしょうか。
ゴーヤ
ゴーヤは独特の苦みがあるため苦手な方も多い食材です。
ですが、ビタミンCやK、葉酸がたっぷり含まれている栄養価の高い野菜の1つとしても有名です。
しかし、ゴーヤ全体の栄養価は高いのですが、ゴーヤ丸ごと1本食べる機会がないため、実際に摂取するゴーヤの量ではピーマンなどとさほど変わりません。
しかし、ビタミンCの含有量は他の食材よりもはるかに高いことには変わりません。ゴーヤで最も注目するべき栄養素はモモルデシンやチャランチン、植物インスリンではないでしょうか。
これらの成分には、上昇した血糖値を降下させる働きがあります。カロリーも低いためヘルシー食材としても人気の高い野菜です。
豚肉
ゴーヤチャンプルーに用いられる豚肉は主に豚バラ肉ではないでしょうか。
豚肉にはビタミンB1やビタミンB3という異名を持つナイアシンが含まれています。
ナイアシンとは血液の流れをスムーズにする働きがあり、新陳代謝を活発にし、美肌効果を得ることが可能です。
またナイアシンにはアルコールによって発生するアセトアルデヒドを分解する働きも担っています。
しかし、1日の摂取量を越えてしまうと皮膚がかゆくなったり、頭痛や下痢などといった副作用も現れるので、注意が必要な栄養素でもあります。
木綿豆腐
ゴーヤチャンプルーに使用する木綿豆腐には、絹ごし豆腐よりもタンパク質とカルシウムが豊富に含有されており、古くから親しまれている豆腐です。
豆腐は大豆の加工食品のため若干脂質が高い食品ですが、それを補うことが出来る珍しい食材でもあります。
木綿豆腐にはモリブデンやビタミンKが含まれています。モリブデンは肝臓や腎臓に数多く存在している栄養成分の1種です。
糖質や脂質の代謝をサポートし、摂取したプリン体を尿酸へ分解します。また、鉄分を使用するよう働きかけ、造血を促します。
不足すると夜盲症や頻脈などの症状が現れますが、逆に過剰摂取すると他の食品に含まれている銅の効果を弱めてしまいます。
鶏卵
ゴーヤチャンプルーに使用される最後の食材である鶏卵は、1個91kcalと高カロリーの食材です。
タンパク質や脂質が高く、鶏卵に含まれている飽和脂肪酸は過剰に摂取してしまうと血中のコレステロール値を上昇させてしまうため食べ過ぎには細心の注意を払いましょう。
ですが、ゴーヤチャンプルーに使用する程度の量では心配する必要はないかと思います。
鶏卵にはセレンやビオチンという成分が含まれており、セレンには抗酸化作用があり、活性酸素から身体を守る働きがあります。
また、甲状腺ホルモンが正常に保てるよう働きかける効果があります。ビオチンにはブドウ糖を再利用したり脂肪酸の合成などを担っているカルボキシラーゼという酵素の働きをサポートする効果があります。
ゴーヤチャンプルーを作りたいけどゴーヤの苦みがちょっと…という方必見!ゴーヤの苦みの取り方
Goya champuru (Bitter gourd and Pork Stir-fry) / Kakei.R
ゴーヤチャンプルーを作る際にお母さん方が最も頭を悩ませているのが、ゴーヤ独特の苦みではないでしょうか。
そこで、ゴーヤの苦みを取り除く3つの方法をご紹介します。
①ゴーヤを薄く切ります。そして、塩揉みし、水気をしっかり切ります。
②小さなお子様がいらっしゃるご家庭の方は、塩揉み後、ゴーヤを手早く水洗いまたは水にサッとさらしましょう。ゴーヤに含まれているビタミンCが溶け出さないように迅速に行いましょう。
③まだ苦いという方は、塩揉み後、10秒ほど下茹でしましょう。冷水に取り、粗熱をとったら、しっかり水切りしましょう。
ゴーヤチャンプルーは栄養がたっぷり詰まった料理だということがお分かり頂けたでしょうか。夏バテ防止以外にも健康や美容に効果があるため、積極的に食べて頂きたい1品です。
また、ゴーヤチャンプルーを作る際は、油でしっかりゴーヤを炒め、鰹節を加えると、さらに苦みが取り除かれますので、ゴーヤが苦手な方はお試しください。