これから旬を迎える大根とブリを使った絶品料理といえば「ブリ大根」ですが、ブリ大根は富山県の郷土料理ということはご存知ですか?
ブリ大根は農林水産省が選定する「農山魚村の郷土料理百選」に選ばれており、柔らかく煮込んだ大根に熱湯にサッと潜らせたブリを加え、出汁や醤油、砂糖などで甘じょっぱく煮込んだ料理です。
富山県の一部地域では、現在も娘や娘婿の出世や健康を祈願して、嫁ぎ先にブリを送る風習が残っています。ブリは成長する毎に名が変わるため、別名「出世魚」と呼ばれており、ブリ大根は縁起の良い料理として今では日本各地で食べられています。
しかし、ブリ大根は非常に作るのが難しく、大根が苦くなる・大根にブリの味が染み込まない・ブリの旨味や甘みがうまく染み出さず、皮の下にある脂肪部分でしか味わえないなどレシピ通りに作ったとしても予想とは違った風味を持つブリ大根になってしまう方も少なくありません。
もし、なかなかうまくブリ大根を作ることが出来ないという方は、1度下処理方法を見直し、改善すると解決する場合が多いと言われています。
そこで、今回は絶品ブリ大根を作るための正しい下処理方法をご紹介したいと思います!
美味しいブリ大根を作るためには、下処理が大事!
美味しいブリ大根を作るためには、大根とブリの下処理が適切に行われているか否かで変わってきます。
ブリの下処理方法
ブリの下処理で必要な材料は「食塩」と「ブリ」のみですので、特別な材料は必要ございません。では、ブリの下処理方法の手順をご紹介します。
材料
・食塩:小さじ1杯
・ブリ:400g
※ブリは、切り身・アラなんでもOKです♪
①購入したブリを綺麗に水洗いします。
②キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ります。
③塩をブリ全体に均一にかかるように振りかけ、10分間そのまま放置します。
④10分後、再び水洗いし、水気を拭き取ります。
⑤鍋でお湯を沸かし、煮立った湯の中に④のブリを入れます。
⑥しっかり火を通したら、水洗いし、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ったら下処理完了です。
大根の下処理方法
ブリの下処理が完了しましたら、お次は大根の下処理を行います。
材料は「お米」と「大根」のみですので、特別な材料などは必要ありません。
材料
・お米:大さじ山盛り1杯
・葉付き大根:お好み
①葉の付いた大根を1本用意します。ブリ大根に使用するため、葉を切り落とし、上から2/3ほどの位置で分けます。下部は大根おろしや他の大根料理に使用すると良いでしょう。
※大根の葉は栄養満点なので、大根の保存方法という記事を参考にしっかり保存しておきましょう。
②上から2/3の位置でカットされた大根を厚さ3cmから4cmほどでザックリ輪切りにします。
③大根は表皮と身の間に5mmほどの若干色の違う部分があるので、この部分を取り除くように厚めに大根の表皮を剥いてゆきます。
④表皮を剥いた大根は両面共に面取りを行います。
※面取り…野菜の切り方の1つで、煮崩れを防止するため、大根や芋類の切り口の角を薄くこそぎ落とし、丸みを付ける行為です。
⑤面取りを行った後、面積の小さい面に1cmほどの隠し庖丁を入れます。
※隠し庖丁…料理を食べやすくしたり、火の通りを良くしたり、味を浸み込みやすくするために行う料理テクニックの1つです。
⑥鍋もしくは底の深いフライパンに隠し庖丁をした面を下にして並べ、大根が隠れるほどの水を入れます。
⑦⑥にお米を入れます。
⑧火を着け、煮立たせます。
⑨沸騰したら、弱火にし、蓋をしないでじっくり煮てゆきます。
⑩30分から60分ほど煮詰め、竹串で大根を刺して、抵抗なくスーッと入ることを確認したら火を止めます。
⑪水に取り、ぬめりをしっかり取り除いたら大根の下処理完了です。
ブリ大根の下処理を行うポイント
ブリのアラを使用する際は塩をまんべんなくまぶして20分ほど置くと、ブリの臭みが取れます。ですが、新鮮な切り身を使用する場合は、塩を振らなくてもそのまま調理に移ることが可能です。
潮をまぶし、一定時間放置したら、熱湯にくぐらすのですが、ここでは中までしっかり火が通るまで茹でていますが、ブリがほんのりと白くなるまでサッと湯通しし、事前に用意しておいた氷水に入れて汚れを落としたらザルに揚げて大根の下処理に移りましょう。
大根を茹でる際に使用するお米ですが、お米の研ぎ汁が余っている場合、そちらを利用することも可能ですので、お好みで選択すると良いでしょう。
大根は茹で上がったら、冷たくなるまで流水にさらすと大根独特の臭みが取れますので、しっかり冷ましましょう。
ブリ大根の下処理方法をご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
もちろん、大根の他に食物繊維が豊富な牛蒡やホクホク食感を持つ里芋を入れて、いつもとは違ったブリ大根を楽しむ物オススメです。また、七味唐辛子や山椒を少量加え、ピリッと辛い大人味に仕上げることも出来ますので、是非お試しください。