日本で牛乳が庶民の間で飲まれるようになったのは、1869年頃からだそうです。
牛乳の販売が始まった当時は現在のように1つ1つ詰められて販売されていたわけではなく、巨大なブリキの缶に牛乳をいれて、量り売りで販売されており、明治時代になると180mlの小さなブリキ缶に入れて天秤棒を使って配達されるようになりました。
その後、ガラス瓶に入った牛乳が売られるようになり、大正時代には王冠栓の牛乳瓶が誕生し、昭和になるとお馴染みの透明の瓶に紙で出来たキャップをしたものが登場します。
そして、昭和31年には初めて紙パック入りの牛乳が発売されるようになり、今ではレンガ型のブリックパックや屋根型のケーブルトップ、学校給食で御馴染みのテトラパックなど様々なバリエーションの牛乳パックが販売されています。
ところで、牛乳はパックや瓶に詰められて販売されているのは見かけますが、ペットボトルに詰められて販売されているところを見たことはありますか?
今回はなぜ、牛乳を販売する際にペットボトルが使用されないのかという理由をご紹介したいと思います。
ペットボトル入りの牛乳が販売されない理由とは?
Bottles ペットボトル (206/365/572) / Christopher Hsia
牛乳は時代の流れと共にブリキ缶や瀬戸物、瓶など様々な容器に詰められて販売されてきました。しかし、なぜかペットボトルに詰められて販売されたところを見た人は誰もいません。
なぜ、牛乳はペットボトルに詰められて販売されないのでしょうか。
実は、平成19年に「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」が改正され、牛乳をペットボトルに詰めて販売することを認可しています。しかし、牛乳を販売している各メーカーにペットボトルに充填する機械や設備が無いため、未だに実現されていないのが現状です。
また、牛乳は他の飲み物とは異なり、雑菌が繁殖しやすいため、直接口を付けて飲むペットボトルとは相性が悪く、さらにどこにでも持ち運びができるようになるため、傷むのが早くなります。
そのため、牛乳をペットボトルに詰めて販売することはとても難しく、今後商品化する場合は、1リットル以上の大きなサイズか飲み切ることができる小さめのサイズで販売されることになるかと思います。
牛乳パックのニューフェイス「キャップ付きテトラトップ」
DSC07532.JPG / yugo.sakai
ペットボトル入りの牛乳の販売目途は経っておりませんが、2015年に新たな牛乳容器に詰められた牛乳が発売されるようになりました。その名も「キャップ付きテトラトップ」です。
キャップ付きテトラトップとは、容器の上部に使用されている素材をプラスチック製にし、本体を従来の紙製パックを採用した斬新な容器です。
従来の紙パックの場合、誤って倒してしまうと中身がこぼれてしまったり、開封時になかなか開かず、力を込め過ぎて破れてしまったなどの事故がありましたが、パックの上部をプラスチック製にし、ペットボトルのようにキャップを付けることでこれらの事故を防ぐことができるようになりました。
また、ごみの分別も楽に行えるように配慮されており、飲み終わったらパックを分解し、プラスチック部分と紙パック部分に分けることができるので、とってもエコです。
今後、ますますこのような新しい牛乳パックが増えてゆくかと思いますので、主婦の方は要チェックです!
まとめ
今回はなぜ牛乳はペットボトルに詰めて売られていないのかという理由をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
日本では牛乳は瓶の方が清潔だという意見が過半数を超えており、メーカーも何度でも消毒して使用できる瓶の方が助かるそうです。今後もしかしたらペットボトル入りの牛乳が発売されるかもしれませんが、雑菌の繁殖を抑える技術が確立されるまでは当分難しいかもしれませんね。