今年もイワシが美味しい季節がやってきました!
イワシは刺身や干物、油漬けなど様々な料理として用いられる一方、畑の肥料や家畜の餌、さらには照明用の油として様々な用途に用いられてきた歴史があり、日本人が生活するうえで無くてはならないものでした。
しかし、近年イワシの漁獲量が激減しており、今まで下魚扱いされてきたイワシの価値が徐々に上がりつつあります。
現在ではその栄養価の高さから大勢の人々から食されるイワシですが、昔は高貴な方々は口にしてはいけない魚として言われていました。
イワシの逸話
マイワシ / amika_san
「源氏物語」や「紫式部日記」などで知られる平安時代中期の女流作家として有名な紫式部とイワシに関して次のような逸話があるのはご存知ですか?
紫式部は、高貴な身分でありながらも夫である藤原宣孝の留守の間にイワシを食べていたことが発覚し、夫に激怒されてしまいます。
しかし、紫式部は「日のもとに はやらせ給う いはし水 まいらぬ人は あらじとぞ思ふ」と歌で反論します。
この歌は「岩清水八幡宮に参拝しない人々がいないように、鰯を食べない人などいないと思いますよ」と直訳出来ますが、実際は「日本に暮らしているほとんどの人々が美味しいと言ってイワシを食べているのに、これを食べないのは口惜しいとは思いませんか」という意味が込められており、鰯の美味しさを存分に表現しています。
イワシは体長30cmほどしかない小さな魚ですが、その小さな身体にはDHAやEPAといった必須脂肪酸がたっぷり含有されており、認知症や生活習慣病の予防などに効果があります。
さらに、良質なタンパク質やカルシウムも豊富に含まれているので、健康に歳を取りたいという方にはオススメの食材です。
そこで、栄養満点のイワシを使った絶品イワシの柔らか煮付けの作り方をご紹介したいと思います。
骨まで柔らかなイワシの煮付けの作り方♪
生活習慣病や認知症などを予防することが出来るイワシを丸ごと美味しく食べることが出来る調理方法として「イワシの煮付け」があります。
そこで、骨までペロリと食べることが出来る絶品イワシの煮付けの作り方をご紹介します。
圧力鍋でふわふわで柔らかなイワシの煮付けを作る方法
・鰯(小さいもの):10尾
・水:250cc
・お酒:50cc
・醤油:大さじ3杯
・砂糖:大さじ3杯
・みりん:大さじ2杯
・お酢:大さじ1杯
・生姜:2片
①生姜は皮付きのまま千切りにします。
②イワシは頭部を切断し、はらを斜めに切って内臓を取り出します。
③イワシの臭みを取り除くために湯引きします。
※【湯引き】熱湯を回しかけるもしくはサッと湯通しすることです。
④圧力鍋に水と各種調味料、そして千切りにした生姜を投入し、ひと煮立ちさせて火を止めます。
⑤ひと煮立ちさせて、火を止めた圧力鍋に下処理を行ったイワシを入れ、蓋をして火にかけます。
⑥重石が揺れ出したら中火に切り替え、15分間加熱します。
⑦自然に圧力が抜けたら、お皿に盛って完成です。
夏バテ防止に最適な「イワシの梅煮」
梅の爽やかな酸味が食欲をそそる夏バテ防止最適な暑い夏にオススメの1品です。
骨まで柔らかいので小さなお子様でも安心して召し上がることが出来ます。
・イワシ:5尾
・水:300cc
・お酢:大さじ1杯
・梅干し:大きいサイズ1つ(お好みで増やしても構いません)
・生姜:1片
A
・水:100cc
・お酒:50cc
・砂糖:大さじ1.5杯
・濃口醤油:大さじ2杯
・みりん:大さじ1杯
①イワシの頭部を切断し、内臓を綺麗に取り除き、流水で綺麗に洗浄します。
※鱗のあるイワシの場合は、鱗も綺麗に取り除きます。
②小さめの鍋に水とお酢を加え、火にかけます。沸騰したらイワシを投入し、10分間下茹でします。
③10分後、ザルに揚げて、しっかりと水気を切っておきます。
④生姜の皮を剥き、千切りにします。
⑤梅干しは種を取り除き、果肉を包丁で軽く叩いておきます。
⑥イワシを茹でた鍋を軽く水洗いし、Aの調味料を全て加えて火にかけます。
⑦煮立ったら、叩いた梅干しと千切りにした生姜を加え、混ぜ合わせたらイワシを投入します。
⑧クッキングペーパーで落し蓋をし、弱火でコトコトと煮汁が無くなるまで煮詰めます。
⑨およそ20分経過したら、クッキングペーパーを取り除き、しっかり冷めるまでそのまま放置したら完成です。
イワシのサイズによって使用する調味料を2倍にし、煮込み時間を伸ばすとイワシに味がしっかりと付きます。イワシの臭みはお酢の力で消し去ることが出来ますのでご安心ください。
背の青い魚を煮付けにする際はプロの料理人の方も梅干しを1つ煮汁に使用します。梅干しはお酢と違い、梅の香りがふわりと薫るため、食欲増進効果を得ることが出来ます。
さらに生姜との相性も抜群ですので、オススメです。
また、イワシは事前にお酢で煮ておくと骨が柔らかくなり、イワシ特有の生臭さを消し去ることが出来ます。
まとめ
イワシは魚へんに弱いと書く / amika_san
イワシは産地や漁獲量、種類などによって旬の時期が異なります。
徳島県で漁獲されるウルメイワシは7月に旬を迎えます。
マイワシは青森県ならば7月、鳥取ならば4月中旬頃、京都府は3月下旬、岩手県ならば10月中旬となります。
カタクチイワシは、主に山口県、香川、広島県で漁獲されており、それぞれ山口県と香川県が6月下旬から、広島県が6月10日頃から漁が解禁されるようになっています。
ですので、ウルメイワシ「10月から2月」マイワシ「7月から11月」カタクチイワシ「9月から1月」と覚えておくと良いでしょう。