お酒のおつまみに最適な「なめろう」は房総半島沿岸発祥の郷土料理の1つです。
なめろうとは、料理が盛られている器に付着した身まで舐めてしまうほど絶品だったことから命名された1品です。
主にサンマやイワシ、トビウオなどの青魚を日本酒や味噌を加え、生姜やミョウガなどの薬味と共に粘性が出るまで包丁で叩いて作られます。
なめろうにする青魚の中でもアジは群を抜いて人気が高く、特にアジの旬を迎える5月から7月にかけては脂のノリがたいへん良く非常に人気があります。
では、あじのなめろうの作り方とコツをご紹介したいと思います。
自宅で簡単にあじのなめろうを作る方法♪
なめろう / tadtad
旬を迎えたあじをスーパーやデパートで購入したら、さっそくあじのなめろうを作ってみましょう。
作り方は至ってシンプルなので、料理の苦手な方でも安心して作ることが可能です。
材料
・アジ:2尾
・大葉:6枚
・ネギ:10cm
・生姜:小さじ2杯
・味噌:大さじ1杯弱
作り方
①2枚の大葉を千切りにし、ネギはみじん切りにします。
②アジを捌くのですが、刺身用のアジを購入した方は既に3枚おろしの状態となっていると思うので、そのままざく切りにします。もしアジを1尾まるごと購入された場合は、3枚におろし、腹の骨と小骨を丁寧に取り除き、表皮を剥いでからざく切りにしましょう。
③アジに①の大葉とネギを加え、さらにみじん切りにした生姜と味噌を加えてまな板の上で包丁を使って叩くように混ぜ合わせます。
④アジが5mmほどの大きさになったら、器に残りの大葉を敷き、綺麗に盛り付けたら完成です。
あじのなめろうは15分ほどで完成するため、新鮮なアジを仕入れることが出来たら夕飯や晩酌のお供に作ってみてはいかがでしょうか。
あじのなめろうをさらに美味しく作るコツをご紹介!
あじのなめろうの作り方をご紹介しましたが、さらに美味しいあじのなめろうを作るコツをご紹介します。
あじのなめろうを作るコツは2点あります。
1つが日本酒やみりんの旨味成分を最大限活用するため、アルコール分を飛ばして使用すること、もう1つが風味の違う2種類の味噌を用いることです。
この2点を行うことで、通常の手順で作ったあじのなめろうよりもふくらみのある旨さを持つワンランク上の上品ななめろうとなるのです。
では、ワンランク上のあじのなめろうの作り方をご紹介します。
作り方
①日本酒とみりんを鍋に入れ、沸騰させてアルコール分を飛ばしておきます。
②アジを3枚におろしたらざく切りにし、大葉やネギなどの薬味をみじん切りにしておきます。
③ボウルに風味の違う味噌を2種類入れ、アルコール分を飛ばして冷ましておいた日本酒とみりんを加え、さらにすりおろした生姜を加えたら、しっかり混ぜ合わせます。
④まな板の上でアジ・大葉・ネギなどの薬味に③を加え、包丁を使って叩きながら混ぜます。
⑤しっかり混ざったのを確認したら、器に大葉を敷き、綺麗に盛り付けたら完成です。
日本酒とみりんの旨味がしっかりと感じられ、2種類の味噌によってより濃厚な風味や香りを味わうことが出来ます。
お時間がある際は、一度試してみてください。
あじのなめろうアレンジ方法
なめろう / Koji Horaguchi
あじのなめろうは冷蔵庫で最大3日間保存することが可能な料理です。
ですので、たくさん作って様々な料理へアレンジさせることが出来ます。
その中でもあじのなめろうを用いたお茶漬けは絶品と言われており、栄養満点なので食欲の湧かない夏の朝食として最適です。
作り方はとても簡単で、だし汁に日本酒を加えて煮切り、食塩を少量加えて味を調節します。
そして、あじのなめろうをほかほかの白米の上に乗せたら、お好みで山葵や大葉、胡麻を添えて熱々のだし汁をたっぷり注いだら完成です。
材料はだし汁1.5カップと日本酒を小さじ1杯、食塩を少量用意するだけなのでお手軽に作れます。
さらに、夕飯のおかずで悩んでいる主婦の方にお勧めしたいのが、人参や牛蒡などの根野菜とあじのなめろうを混ぜて油で揚げるとあじのなめるろうさつま揚げの完成です。
また、あじのなめろうを焼いたり蒸したりしてハンバーグのような見た目をした千葉県の郷土料理「山家焼き」にするのもお勧めです。
山家焼きは漁師さんが山仕事へ向かう際になめろうを鮑の殻に入れて行き、山小屋で焼いて食べていたことが始まりです。
山家焼きはあじのなめろうを地上で味わうための料理だったのです。
まとめ
あじのなめろうや山家焼きは栄養バランスに優れており、あじのなめろうに用いられる材料は全て私たちが生きる上で欠かせない栄養素がたっぷり詰まっている優れた料理だったのです。
酒の肴だけではなく、夕飯のおかずとして家族揃ってあじのなめろうを食べて、健やかな生活を送って頂きたいと思います。